幽玄という言葉は、作者のためにあるような気がします。別作品も読ませていただいておりますが、作り出す雰囲気が、神秘的であり時に不気味でもあり、読む者を捕らえてやみません。
執筆歴 アルファポリス第2回ライト文芸大賞 家族愛賞受賞 「ハナサクカフェ」 第6回 文芸社文庫NEO小説大賞 最終選考ノミネート 「12月のラピスラズリ」 …
風流を愛し諸国を遍歴する主人公、清十郎と彼が雨宿りに留まった名もなき桜の古木を巡る一幕。 人ならざるあやかし、その悲哀を前にしながらも美しさを見出し寄り添う清十郎の生き様はまさに粋で鯔背と言うべ…続きを読む
短編らしいシンプルな構成ですが、印象的なシーンがいくつもあって読後にその風景が刻み込まれる、そんな作品です。最後のシーンも良かった。このまま続編に突入してほしいと思えるような一作でした。
雨宿りに身を寄せた桜の古木は、その地にどっしりと根を張り青々とした葉を茂らせていた。風流を愛する風来坊の男もまた悠々としていて、己の眼で世を見聞してきたらしい風格が漂っている。古木の下で起こる荒…続きを読む
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