現代社会の裏を暗躍し、人を食らう吸血鬼たち。
そんな人類の天敵たる吸血鬼を狩る者になってしまった少年が主人公です。
それだけ説明すると、鬼を滅する刃的な少年漫画なノリなのかな、と思われるかもしれませんが、この作品はそうじゃないんですね。
これは、戦争小説、です。
私は読みながら、『プラトーン』や『西部戦線異状なし』といった戦争映画を彷彿としちゃいました。
悪者と戦うヒーローの物語ではありません。
吸血鬼と人類の戦いという、理不尽な世界に参加することになってしまった、普通の少年のお話です。
彼の所属する吸血鬼狩りの組織も、正義の組織ではありません。
社会のありとあらゆるしがらみに穢された、利権と私利私欲にまみれた腐敗組織です。
パワハラ、モラハラあたりまえ、何それ美味しいの状態。
吸血鬼と戦わねばならないはずなのに、内部の権力争いばかりに注力して、幹部同士が互いの足をひっぱりあってるような始末です。
そんな上官たちの指揮下で戦う兵士たる主人公は言うまでもなく、悲惨そのもの。
幹部の権力闘争のとばっちりで、わざと失敗させるための任務を宛がわれることも日常、そんな勝てるはずのない戦闘で死ぬのは現場の兵士たちなわけで。
理 不 尽 ここに極まれり。
そんな戦場に身を置いてるうちに、普通の少年が、どのように変化していってしまうのか?
そこが見所の作品です。
こんな方にオススメ
:王道少年漫画な設定なのに、物語はガチ戦争物なストーリーが読みたい人
舞台は少し未来の日本、日常の影に潜む吸血鬼、そしてそれを狩る『吸血鬼殺し』がいる世界。物語の主人公は高校生、九竜朱仁。過去に父親を目の前で亡くし心に傷を負い、他者との距離を取って生きる何処か影のある少年。
吸血鬼に襲われた所を『吸血鬼殺し』の美女、弦巻葵に助けられ、九竜朱仁は彼女の誘いと共に己自身も『吸血鬼殺し』の存在となる。
吸血鬼と繰り広げる熱い死闘の戦闘描写、劇中のクールな台詞回し、キャラクターが持つ個性的な魅力、そしてハードボイルドな生き様。カッコいいの全てがここに詰まっている。
しかし、吸血鬼といえども人の姿……その命を奪うことに対する葛藤や懊悩、後悔もある。等身大の高校生の少年の心を描きながら、それでも前に進んでいく様は主人公として完成された理想像といえるだろう。
『吸血鬼殺し』サイドと『吸血鬼』サイドのキャラクター造形が何よりも魅力的で、どちらも消えてほしくないと思わざるを得ない。それほどまでに魅力あるキャラ作りが成されている。
心湧き立つシビアな戦闘、その中で繰り広げられるクールな台詞の交わし合い、生きるか死ぬか生存を賭けたシリアスな世界観、珠玉の現代ダークファンタジーが此処に有る!
現実の裏側
日常に隠された真実
決して陽のあたることのない闇
闇に潜む影
人に仇なす忌むべき存在
剣と銃を手に、闇と影をほふる少女たちがいた
吸血鬼の脅威に襲われる主人公の前に現れる笑顔の少女
少女との邂逅
反転する日常
少年は闇の世界に足を踏み入れる
吸血鬼とはどんな存在なのか
人とは決して相容れないのか
咎、絶望、空虚、葛藤
それぞれがそれぞれに持つ過酷な運命
勝利と敗北、死を乗り越え、命を奪う
壮絶な争いが思いを灼き焦がす
スタイリッシュなバトル、熱くクールなダークファンタジー
赤く血塗られた現実に立ち向かう主人公たちの想いを!
あなたの心を穿つほどに、赤い赤い軌跡を灼きつけてほしい!!!
主人公は凄惨な過去を背負う男子高校生。
彼は謎の美女「葵」に誘われ、「吸血鬼殺し」として過酷な戦いに身を置くことになります。
現実社会の影に潜む、吸血鬼。
彼らは圧倒的な強さと残虐さをもって、主人公たちの前に立ちはだかります。
激戦に次ぐ激戦。
何度もピンチに陥り、敗れ、地に這いつくばる。
しかしそのたびに死地から這い上がり、血に塗れながら勝利に喰らいつく。
人智を超えた存在と相対する者たちの戦い、その臨場感と迫力に、ただただ息を飲むばかりです。
こちらの作品はご都合的なチート展開はありません。主人公たちは残酷な現実の前にたびたび敗北を喫します。
しかし彼らは諦めない。
何度だって立ち上がる。
その生き様こそがこの作品の最大の魅力です。
練り込まれた世界観に、最高にかっこいい登場人物たちが織りなす、血と絶望と叛逆の物語。
是非、多くの方に読んでいただきたいです!
様々なものを拒絶し苦悩しながら生きる男子高校生の九竜君が主人公の物語。
彼は不審者に襲われた際に、謎の美女に救われます。その女性、弦巻葵と再会し、自分を襲った存在が「吸血鬼」であることを知らされ、とある事情からそれと闘う道を選びます。
これは重厚でシリアスな現代ダークファンタジーであり、その敵と人間の熱い戦いの見所は、吸血鬼という伝統的なモチーフを斬新な視点で描いている点です。
更に主人公が抱える内面の葛藤や成長、そして彼を取り巻く人間関係の複雑さが物語に深みを与えています。
そして弦巻葵という謎多きヒロインの存在が物語に色彩を添え、読者の好奇心をどこまでも刺激します。
また、その戦いのアクションシーンの描写や最高に洒落た舌戦の緊張感は読者を引き込んで放さないでしょう。
これは正に究極のバトルダークファンタジーです。
軽く読めるライトノベルをご所望なら他へ、
骨太なバトルと、濃く且つ強いドラマをご所望ならこちらへ!
こちらは、現代の日本を舞台に、人間VS吸血鬼を主題にした物語です……
レビュータイトルにもありますが、血で血を洗うバトルが、弾け飛ぶ鮮血の臭いすらも感じさせる文体で書かれており、作者様の情熱を感じさせます。
しかし、その情熱は言葉で表すなら、赤い炎ではなく青い炎ではないかと……
冷静さを持ちつつの情熱です。
ですが、青い炎の方が熱いのです。
登場人物たちも熱血ではなく、どちらかとすれば冷血冷静……命を奪う覚悟のある人たちばかり。
そんな人物たちの戦いが面白くないわけないでしょう?
生温い戦いよりも、ガチの戦いの方が面白いに決まってます。
私と同じ考えの人は絶対に楽しめる筈。
是非、読んでみてください。
クセになりますよ!!!
分かりやすいあらすじ、素晴らしいレビューが既に沢山あるので別の切り口で失礼します。
単語で言うと重厚、シリアス、シビア、アイロニー。
色で言うとオクサイドレッド。
香りで言うとスモーキー。
味で言うとスパイシー(後味に甘みがあることも)。
以上はあくまで個人の所感ですが、このような属性を好む方には確実にハマるはず。
今時の雰囲気はありつつも流行系ではなく、キャラも作者も我が道を突き進む作品です。
キャラ視点を複数楽しめるのもポイント。
そのうえタグにある〝とんでもラスト(予定)〟。
めちゃくちゃ気になります。
ぜひ一度読んでみてください。
そしてこの重厚な世界観に溺れ、一緒にとんでもラスト(予定)にひっくり返りましょう!
※100話ほどまで読んでのレビューです。
まず御作を読んで一番に感じたことは、魅力的なキャラたちが織り成すセリフ回しです。
それはまるで嘗ての粋なアニメでも見ているかのようで、読めば読むほど我々読者をこの世界へ誘ってくれることでしょう。
もちろんバトルもスタイリッシュでカッコいいです。
ですが、敵は吸血鬼、こちらは人間。力の差は圧倒的です。
ダークでシビアな世界観は、決して甘さのない現実を突きつけてきます。
ただ、それ以上に描かれる『舌戦』が、やはり私は一番好きです。
男なら誰しもが憧れた、古き良き主人公たちが奏でる、お洒落な調べ……
そういったものを望む方には、御作は最高の時間を提供してくれることでしょう。
皆様にも一度、手に取っていただきたい作品です。
男子高校生"九竜"は吸血鬼に襲われるところを謎の女"葵"に助けてもらい、それを契機に吸血鬼との戦いに身を投じていくのであった。
第一に個人的に注目していただきたいのは、「圧倒的強者たる吸血鬼との戦い」です。
戦いは大変シビアで、吸血鬼が能力を使うのに対して、人間は銃や剣。
優勢な敵に人間が立ち向かう描写はとても熱い。手に汗握ります。
第二に好きなのが「登場人物同士のハードボイルドな掛け合い」です。
主人公九竜に負けず、女性陣もかっこいいです。剣や銃を手にして前線で戦う姿もさることながら、心を挫こうとする吸血鬼を前に気高に振舞うところも良い。「姉貴!」と着いて行きたくなります。
簡潔巧みな文章でその場面の映像が見えるようです。吸血鬼とのシビアな戦いをご所望の方、是非読んでみて頂きたい。
面白いバトル物を探してる?
ならコイツを読めっ!
・お気楽ギャグ、明るい雰囲気→皆無だ! 覚悟しろ!
(いや、実際は、ちょっとは息抜き回はあるけどさ。これ読んで明るい気分になろ〜、なんて読者は出直してください。)
・敵は吸血鬼。力が力をねじ伏せる。
拳がめりこみ、血が血溜まりとなり、時には残酷な描写もある。覚悟せよ!
・主人公が戦う組織の一員となるまで、修行パートがきっちり、ページを割かれて描かれる。心づもりして読め!
・主人公が戦う組織に新しく入隊したって、「良くきたね〜♡」とあったかポワポワ仲間が迎え……そんな現実甘くあるかいッ! というくらい、関係はシビア。
だからこそ……、隊員、一人ひとりの個性、内面が丁寧に描きだされる。
つまり、キャラが良い。
そして得られるのは、読んでてゾクゾクするような没頭感だ!
ジレジレ恋愛もある。でもそれは、珈琲にそえられたシナモンにすぎない。
描きたいのは……戦闘だッ!
血湧き肉躍る、戦闘なのである。
戦闘シーンに入ったときの、筆が踊る感半端なし!
会話が良いのよ。以下抜粋!
味方「私は初対面ですね」
敵「この前とは違うな。新しい女か?」
味方「恋人と思われてるなら嬉しい限りですね」
敵「この前よりも年が上みたいだな」
味方「愛に年齢は関係ありませんよ。殺し合いも同様に」
かっけぇ───!
戦いにおいて、こういう痺れる会話の宝庫です。
おもしろいバトル物に飢えてるそこのアナタ! おすすめですよ。
素敵なスパイスとなっている稀有な作品です。
アマルガムの繭まで読了
強者と強者が喰らい合う熱量がとてつもなく高い作品となっています。
個人的にWEB小説よりもハードカバーがとても似合う。という印象です。
物語がダーク。とは言いませんが、シリアスを基調としているため、読んで一息・・・というよりも読み始めると惹き込まれて息つく間を探すのに苦労します!
強者らしく、各々がとても癖が強い=印象に残るため、読み進める上で、だれだっけ? という事態も起こることなく文章と描写の筆力の高さと相まってノイズを感じることなく夢中になれるでしょう!
個人的に、敵味方問わず、キャラ同士の掛け合いが秀逸です。
鼻につくような言葉とならず、かと言って安すぎることもない絶妙な塩梅。
みなさんにもぜひ読んで頂きたいとお勧めできる作品でした!