勇者。結婚するってよ。

　前作『勇者になる日まで』（https://kakuyomu.jp/works/16817330652684639155 ）にて魔王を討ち倒し、世界を救った転生者タクト。
　冒険から二年が経過し18歳となった彼に、再び新たな試練が襲い掛かる。
　つまり。結婚である。
　相手は傍若無人にして天衣無縫。風のように捉えどころがなく、それでいて雷のように激しい『ロイルの姫』アンナだ。
　世界を救った戦友でもある彼女に、タクトは仄かに憧れを感じて……ないこともなかったが、結婚となると寝耳に水。恋かどうかもわからないのに、そんな話に喜べるはずもない。
　かと思えば、タクトには魔族の血が混じっているという噂も立ってきて……

　というお話。
　『勇者になる日まで』の後日談という位置づけですが、コメディとしてならこれ単体でも読了することができます。
　どーしても気弱で。意気地が無くて。胆力もないタクト。
　家と銀の森を守るため、政治的な思惑に板挟みになりながら今一つ素直になれないアンナ。
　でこぼこで噛み合わない二人が、ちょっとずつすれ違いながらも歩み寄る様にわくわくしながら読んでいました。