パッヘルベルのカノンと変わっていくであろう二人の男女の関係

音楽院在籍中に精神疾患で中退したとはいえ、今でもピアノを弾き続けている小関と、チェロ奏者の郷中が織りなす話です。
音楽家や楽器のことはそこまで詳しいわけではなくて、私は一度読み終えてタイトルにもある「パッヘルベル」がなんのことだか、物の名前なのか人物なのか気になって調べました。
パッヘルベルはドイツ出身のオルガニスト・作曲家なんだなぁ、と少しだけ理解して読み返すと、パッヘルベルが作ったカノンのシンプルで調和が整っている綺麗な旋律のようで進んでいく物語でタイトルと作品が合っているなと感心しました。
春風が運んでくれるような可憐な旋律を表しているかのようなお話です。

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