朝(あした)には燻って消える炎よ、この夕べより永遠に燃え続ける炎よ


 こちらの作品は私が主催している「民族調ボーイズラブ企画」に参加してくださった作品なのですが、私はその企画を「雰囲気が最高にエキゾチックな小説が読みたい」という思いで立てたんです。
 なのでもう、ドンピシャでした。
 語り口は簡潔で安定しているんですが、それと同時にどこか民族調ならではの艶やかな魅力もある。その筆致をフルに活かして、モチーフであるトランス状態での男男の交わりを極めて美しく書きあげて昇華していらっしゃるんです。
 めちゃめちゃ良かったです……。

 あとエンディングの処理もとても好きなんです。ポゴとナグンの交わりはたった一夜限りの徒なものであるという風にも見れるし、いとけないポゴとの交わりはナグンに永遠に消えることない刻印を焼き付けた点に注目することもできる。
 読者はその二つの解釈の間で楽しく悶えることができるんです。
 儚さと確かさの塩梅が最高な小説でした。

 素敵な作品をありがとうございます。