秋を探して
朝吹
秋を探して
吹き飛んだ先には熱く沸騰しているプールがあった。転がり落ちた水の底には沢山の女学生が沈んでいた。この国には彼女たちの命が焼石となって埋まっている。町の名残の石橋の影。十三歳だった。学校が消えた夏の朝。空すら燃えた。私はまだわけが分からない。この石碑の下に少女たちはいない。だから探して歩くのだ。金木犀の薫る秋が好きだった。私の戦争はそこで途絶えている。誰かが云う。昔から老犬の幽霊がこの公園に出るぞ。
秋を探して 朝吹 @asabuki
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