いつかまた出逢うとき、この想い忘れないように

中国の玄幻小説(東洋風のファンタジー小説)。
死後の世界を描きながら、未練をテーマにした作品。

全員が、何かしらの未練を抱えている。
鬼使いの謝が、猫の迷魂の未練晴らしの手助けをすることで長年会いたかった妻にひと目会うことができた。
そのきっかけをくれたのは燈籠師をしている范。
かつて鬼使いをしていた范が、迷魂だった謝の未練晴らしの手助けをするも叶えることができず、ずっと気になっていた。
当時は、燈籠という便利なものがなかった。
だから燈籠師となり、ひそかに妻の消息を探してくれていたのかもしれない。
ようやく見つけ、未練晴らしの依頼を送ったのだ。
未練が晴れたことで、亡くした夫のことを思っていた妻も、あの人があの世から会いに来てくれたと思えて嬉しかっただろう。
鬼使いの謝も、妻が死んだときに迎えようと希望が持てたと思う。
范としても、手助けできてよかったと安堵したはず。

これも一つの愛の形。
もの悲しくも、良かったねと思えるハッピーエンドな作品である。

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