美しい文体と中華風の死生観、最後には驚きの展開も!読み応え抜群の物語☆

読むうちにすぐ「あれ? 忘川河って、三途の川のこと?」と、ピンとくると思います。
そんなわけで、忘川河とは中国の神話に登場する川で、日本で言うところの三途の川に近いものです。
どちらも亡くなったあとに渡る川と言われています。
すこし違うのは、三途の川は『向こう岸で亡くなった家族が手をふってる』という印象が強いですが、忘川河は名前のとおり『渡ると今生の記憶を忘れてしまう』というイメージが強いことでしょうか。

本作ではこの忘川河の性質ゆえに、今世の記憶を忘れがたく思い悩むキャラクターが登場します。
なかなか珍しい設定なので、目新しくも面白く感じられること間違いなしです!

それに加えて、文章も美しく洗練されており、人物描写も細やかで豊か!
しかも、しっかりと伏線回収のある物語性も有していて、すごく読み応えのある作品でした。

中国文化に興味がある人に、とくにおススメ☆

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