やれることを手探りをしながら全力で未知の世界を突き進んでいく楽しさ

主人公の目を通して世界を知ることで世界がどれだけ広いのか、世界にはどのような仕組みがるのかということが徐々に分かっていく感覚が、冒険によって知識が得られていくようで楽しいです。
この世界のことが何も分からない主人公と共に様々な情報を取り込んでいくので、読者が主人公に没入できるようになっていると感じました。だからこそ、やれることが増えるという事実が読者にも嬉しい出来事として認識できるものになっています。

冒頭こそゲーム的な要素が見られますが、それを手掛かりにこの世界でどう振舞って行くかを考察していく様子が克明に描かれ、とても堅実な物語の運びになっていると感じました。
また、これからやれることが増え、何が起こるかというタイミングでの新しいキャラの登場など、読者を飽きさせないポイントをとても素晴らしいタイミングで驚きとともに提供してくれています。

守るべき妹に守られるというちぐはぐな関係は、どちらもお互いより優位に立つ場面を生み出し、それが面白さとか意外な一面を引き出すことに繋がっていると感じました。

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