主人公の目を通して世界を知ることで世界がどれだけ広いのか、世界にはどのような仕組みがるのかということが徐々に分かっていく感覚が、冒険によって知識が得られていくようで楽しいです。
この世界のことが何も分からない主人公と共に様々な情報を取り込んでいくので、読者が主人公に没入できるようになっていると感じました。だからこそ、やれることが増えるという事実が読者にも嬉しい出来事として認識できるものになっています。
冒頭こそゲーム的な要素が見られますが、それを手掛かりにこの世界でどう振舞って行くかを考察していく様子が克明に描かれ、とても堅実な物語の運びになっていると感じました。
また、これからやれることが増え、何が起こるかというタイミングでの新しいキャラの登場など、読者を飽きさせないポイントをとても素晴らしいタイミングで驚きとともに提供してくれています。
守るべき妹に守られるというちぐはぐな関係は、どちらもお互いより優位に立つ場面を生み出し、それが面白さとか意外な一面を引き出すことに繋がっていると感じました。
本作の主人公は日本からの転生者。これといった能力はないものと思っていると、異世界の人々の頭の上に何かのバーが見える。
これがレベルと経験値のバーだと気付き、しかも自分のレベルを他の誰かに譲渡できることまで発覚。
かくして、稼いだ経験値でレベルを上げつつ、上がったレベルを妹の譲渡して、どんどん強化させていくのがおおよそのストーリー。
日常パートはコミカルに兄妹のやり取りが描かれ、兄妹仲良くはちゃけたり、ちょいちょいエロを挟んだりと、テンポよく進みます。
戦闘パートは強化した妹が活躍し、なかなかの想像しやすい情景描写で読みやすいです。
皆さんも是非御一読ください!
(∩´∀`)∩
病弱な余命いくばくもない妹のために、妹を連れてダンジョンに入る。
まず、この設定から無理がありそう。でも、破綻なくストーリーは盛り上がっていきます。兄のよわよわスキルのおかげで強くなる妹。妹を強くするためレベルの上がらない兄。妹に守られながらも兄は頑張ります。
エロっぽいのも必然性があり、エロが苦手でも受け入れられる描き方。もちろん好きな方にも納得の書き方。
とにかく上手い! これからラノベを書きたい方の見本にしてあげたい。
そうそう、創作論でこの作品の解説もしています。
「底が抜けたようにラノベを買っていた人がラノベ執筆に挑むメイキングなノンフィクション(カクヨムコン記念作品)」https://kakuyomu.jp/works/16817330649355982158
本編読みながらこちらを見ると、作者のあふれんばかりの才能の片鱗に触れることが出来るでしょう。
「僕」は大学に通う日本の学生……だったはずがいつの間にかフィンという子どもに転生し異世界へ。
13歳になると「恩恵」という特殊能力を身につける世界で、フィンは人のレベルを見たり、自分のレベルを他人に譲渡したりできる恩恵を得た。
この恩恵を上手く利用し、命の危険が迫る妹・シャリを救おうとあれこれ思索しては試す日々。そうこうしていると、日本での「僕」の妹と名乗るエルフ美女も現れて……。
妹に囲まれライトなエロを満喫しながらレベリングする、無双系バトルファンタジー!!
第3章まで拝読してのレビューです。
キスでレベル譲渡するという設定が素敵で、フィンの妹を想う気持ちをダイレクトに表現しています。自分はレベルの低いまま、とにかく妹のために自分のレベルを捧げ続ける無償の愛。さすがお兄ちゃん。
妹・シャリとてお兄ちゃんの海のように広い愛をただ享受するわけではなく、手に入れた恩恵をフィンのために振るうという。
もうあれです、愛の永久機関です。
新たに登場した自称日本での妹・あかりの今後も気になるところ。
楽しく続きも読ませていただきます!