メルヘンタッチでありつつも、モノづくりへの熱さが垣間見える一作!!

最新「第48話 散々な一日」まで拝読しました。
魔法で手軽に宝石やアクセサリーが錬成できる中、主人公のリッカは手作りにこだわっています。
リッカは物語の中で大好きな宝石と向き合い、出来上がったものを蚤の市で売ります。その合間にご飯を食べたり、宝石を買い付けに行って目を輝かせたり……と、基本的にとてもほのぼのしたタッチ。

ですが、その中には『モノづくりに対する熱さ』が込められていて、読んでいる私の心にもじわりと日がともります。
オパールと対峙すると、大好きな宝石である分緊張してしまうのか、最初はうまくアクセサリーが作れないリッカ。フリー魔工宝石原型師のコハルなどに後押しされ、一歩を踏み出せてよかったです。

そして、手作りにこだわるリッカの反対を行くのが、造形魔法と複製魔法による量産品を売るブランド。
ここに勤めているアキは、実は手作りの宝飾品の方が好きなのに、不器用なので造形魔法を使っている人物。
いつか手作りをしたいというアキに、リッカが手ほどきをすることになります。
リッカとアキ、そして第二章に出てくるナギサの対比がすごくいいですね。
まさに「お仕事小説」の真骨頂だと思います!!
それぞれの立場が丁寧に描かれていて、手作りと造形魔法の違いが浮き彫りになり、物語に深みが増した気がしました。

あと、個人的なことで申し訳ないのですが、実は私も帯留めや帯飾りなどをちょこちょこ自作しています。
先日国立博物館でやっていた『宝石』の特別展示に足を運んだので、そこで覚えた宝石の知識を思い出しながら読ませていただきました。
アサクサバシのパーツ屋はよく行きますので、地名が出てきたときちょっと嬉しかったです。

その他のおすすめレビュー

相沢泉見さんの他のおすすめレビュー274