「ミステリー」や「異能ファンタジー」が詰まった手紙がキーの「恋愛小説」

なんというか恋愛小説のゴールって、なんというか、つき合い始めたり、結婚したりがゴールになるのですが、ちょっとこのお話はゴールが違います。そこが読み始めて一番驚かされるところになるのですが、でも、それがゴールだから……という感じでもないんです。そこがこの小説を唯一無二のものにしています。

そして、物語を引っ張っているのが手紙でして、こういうのは漫画等では表現できない小説ならではの独特の雰囲気というか、恋愛小説に含まれる甘さというか、そういうものを強く感じる小説になっています。

って、ごめんなさい。ほんと設定とか、話の構成が独特でして、秀逸なのです。キーワードとしては「異能」もあるにはあるのですが、これを制御するキーとして働いてるのが……だったりして、「恋愛小説」ではあるのですが、「ミステリー小説」でもありますし、でも「ヒューマンドラマ」と見えなくもない側面もあったりしてですね。本当に複雑で味わい深い小説なのです

これ、恋愛小説が苦手な層にも刺さりそうな気がするんですけどね。みお先生の新しい境地というか、新しい世界の広がりを感じることのできる傑作だと私は思います。

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