なんというか恋愛小説のゴールって、なんというか、つき合い始めたり、結婚したりがゴールになるのですが、ちょっとこのお話はゴールが違います。そこが読み始めて一番驚かされるところになるのですが、でも、それがゴールだから……という感じでもないんです。そこがこの小説を唯一無二のものにしています。
そして、物語を引っ張っているのが手紙でして、こういうのは漫画等では表現できない小説ならではの独特の雰囲気というか、恋愛小説に含まれる甘さというか、そういうものを強く感じる小説になっています。
って、ごめんなさい。ほんと設定とか、話の構成が独特でして、秀逸なのです。キーワードとしては「異能」もあるにはあるのですが、これを制御するキーとして働いてるのが……だったりして、「恋愛小説」ではあるのですが、「ミステリー小説」でもありますし、でも「ヒューマンドラマ」と見えなくもない側面もあったりしてですね。本当に複雑で味わい深い小説なのです
これ、恋愛小説が苦手な層にも刺さりそうな気がするんですけどね。みお先生の新しい境地というか、新しい世界の広がりを感じることのできる傑作だと私は思います。
婚姻を結んだヒロイン・エリアーナに、率直に「愛している」と言えない旦那様の抱える秘密とは―――!?
旦那様を大好きなエリアーナ。
彼も同じく彼女を大切に思っているのに、とある事情があって踏み出せないでいる、じれラブストーリーです。
そこに障害として現れるのは、ただのライバルじゃなく、それぞれ特殊な事情を抱えるキャラクターたちで、エリア―ナを更なる困難に巻き込んで行きます。
巻き込まれ、引っ掻き回された分だけ、一途な旦那様の愛も燃え上がって行くようですが。この先、エリアーナが穏やかに旦那様と愛し合える日は訪れるのか!?
随所に見られる甘い展開。
けれど、2人の愛が成就した先に見られる甘さは如何ほどのモノか!?
ブラックコーヒー片手に楽しみましょう!