政略より愛を選んだ結婚。後悔は十年後にやってきた

最後に誰によるざまぁだったのかわかる所が面白かったです。まぁ、王子は自業自得とはいえ不憫にも思います。婚約破棄した側の視点が多いので、追い詰められていく様子が良くわかりました。
スッキリするタイプのざまぁではありません。重苦しい復讐劇です。それでも最後まで面白かったとおもいます。

これはいったい誰の物語なのか、終盤に入ってようやくわかった

婚約破棄された側の話はよくありますが、
シタ側の数年後、という設定で目新しく感じました。

地味に少し重めにじわじわ進んでいく展開なので、テンプレ婚約破棄ものを読みなれた人にはしんどいテンポかもしれません。
ラストまで読むと、重厚な展開は実はこの人がメインだったからか！と納得でした。

ザマァタグついてた気がしますが、
軽快テンポのスッキリザマァ！ではないのでご注意を。

サクセスストーリーは魅力的です。
知恵と力を駆使しての成り上がりや、愛する人との穏やかな生活。
しかし、失敗と転落もまた魅力的です。
悪役の破滅。あるいは主人公の挫折。

本作が描くのは後者。転落の道です。

主な視点人物でもある王太子。彼は王妃としての資質十分な婚約者を捨て、セクシーだけど浅慮な下級貴族の娘と結婚します。
ここから王太子が断罪され、捨てられた婚約者が幸せを掴むのが「婚約破棄もの」の定番。
しかし幸か不幸か王太子は断罪されず、だからこそ苦しむことになります。

本作の魅力は王太子が受ける苦しみそのもの。そして強烈な自業自得、いわゆる「ざまあ」感です。
悲劇を見ながら溜飲が下が…続きを読む

定番の婚約破棄だけどそこからが違う。
オススメの作品です、こーいう面白いモノを見つけた時が一番楽しい。