君だけを君だけを好きでいたよ

恋愛もの。
さらりと書いてあるけれど、よく書けてると思う。
世の男はかくあるべき、みたいな気がする。

主人公もまた、成長している。
どちらかというとスポーツは得意だけど多分バカなのだ。
前半は深く考えず、幼馴染が病気だから見舞いに行こうと単純行動をとっている。
だけど、入院中に彼女が勉強するのに付き合って勉強していく。
同じ高校に通えるまでになり、彼女が書いた遺書を読んだとき、
「もし、ドナーが現れなければ。もし、手術が失敗に終わっていたら。きっとこの手紙の通りに凛は死に、俺は……どうしていただろう」
と考え、
「いつ凛を失ってもおかしくないんだ。過去の話ではない、今もこの先も。病気が回復したからって、凛は不死身になったわけじゃない」
更に深く考えるまでに成長していく。
なので最後、
「凛が生きているのは奇跡が起きたからだけど、もう奇跡なんて曖昧なものには頼らない。凛は、俺が幸せにするんだ」
と決意できるまでに至るのだ。

とてもいい。
だから、こっそり持ち帰った遺書を気づかれないうちに返すか、正直に話して返した方がいい。

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