渋い漢たちの織りなす決意と決死のストーリー

刺客と狙われし者との、死を分かつまでの物語。かっこいいと言えば少々不謹慎かもしれませんが、でもかっこいいのです。
歴史に関しては疎いので云々言えませんが、それでも一物語として充実して心震わせることができました。

死を目前にした男たちはなにを思い、なにを望むのか。後半になるにつれ思惑や葛藤が複雑に入り混じっていきますが、それでも芯の揺るがぬ真っ直ぐとした心情が物静かな美しい文章で描かれます。最後がどうであれ己の信じる道を貫く、これぞ「クール」と言うにふさわしいでしょう。
また、こうして突っ走る男の傍らで、想い募らせる女性の生き様も必見です。

死ぬそのときまでいかに命を燃やせるか、むかえる結末に「切ない」と感じるか「ああやっと」と感じるかはあなた次第……。
渋好きさんには超オススメの一作!

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