概要
妻との記念の食事ですから、格好を付けさせていただきたいと思います
このレストランが提供するのは、店名と同じ『L'Ultima Cena』という名のコースだけである。妻たっての希望で、退職金の1/4を振り込んで予約したその店を訪れた高原浩三郎は、出てくる料理の美味しさに茫然とするのだが――温かくも歪な老夫婦の晩餐は、果たして執着なのか、利他的な愛なのか?
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!退職金の四分の一をつぎ込むほどの料理
普段はあまり行かない高級なお店での、老夫婦の特別な晩餐のお話。
グルメ小説です。これでもかってくらいにひたすら料理が真ん中にある物語。
出てくるのはコース料理なのですけれど、それらの描写や説明の細やかさがもう本当にすごい。
主人公自身がこういった料理にあまり馴染みがないため、店員さんにどういうものかを尋ねたりする場面が多々あり、その度に丁寧な説明がなされるという親切設計。
おかげで知識がなくとも問題なく、「へー」と感心しながら読めました。
とはいえ、いくら高級なコース料理と言っても、退職金の四分の一をつぎ込むほどとなると、まず並大抵のことではありません。
そこまでするほど…続きを読む