墓石の前で、僕は語る。墓石の中で、私は思う。

この小説は切ない恋の末路の小説です。というよりは、恋の末路のその後の小説ですね。

六月の雨の日に男(多分)は墓石に向けて語ります。忘れられない、もういない彼女へ。君との昔話をたくさん墓石の中と共有し合う。きっと中の彼女も微笑んで聴いてくれていると信じて。
六月の雨の日に女(多分)は墓石の中から語ります。私が先に逝ってしまって、一人残された大切な彼氏へ。彼は私との昔話をたくさん話してくれています。私は墓石の中、天国で彼にそっと語りかけます。届かない声だけれど。
そんな会話を楽しめる六月の雨の日も、この墓石を舞台に、石越しで会えたら。話せなくても、心がつながり合えたなら、雨の日もきっと晴れる。

なんて勝手にどくどくな感想書いてますけど、そんな感じでめっちゃ切なかったです。でも、同時にちょっとほっこりする場面もあったりして。
僕はある企画から来て読んでみたんですけど、とても感傷的になれました。
すごく良い話です。
ぜひどうぞ。

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