この物語の魅力の一つが、常に提示される明確な短期目標とそれを解決するための思考過程です。
兎が何をしなければならないのか。どのような状態になったら解決なのか。そもそも何故解決しないといけないのか。全てが提示されてから謎解き、事件解決に臨んでいきます。そのため、ストレスなく物語に没頭していきます。そして、次から次に適度な難易度の事件がテンポ良く出てくるので、先が気になって常に最新話を読み進めることになりました。
昔話のような情景の世界を駆け回り、ボロボロになりながらも妖を助けてまわる小さな兎の物語。どうかお読みください。
第一章までのレビューとなります。
目覚めると、兎の姿になっていた。
人間だったことを覚えているが、記憶はあやふやだった。
混乱している時に紙人形が突然現れ、主人公は恐怖から逃げ出した。
逃げ出した先で困り事を解決すると、次から次へと主人公に困り事を持ってくるものが現れる。
紙人形は相棒となり、物語が進む。
不思議な物語だと私は思いました。
どうしてここにいるのか分からないまま物語が進んでいきます。
それでも、読者の私は不思議と読み進める手が止まりませんでした。
いつの間にか主人公に感情移入してしまうのです。
これからどうなるのかと常に想像しながら読んでいました。
感情移入してしまうのが、この作品の魅力だと私は思います。
どうして感情移入するのか、主人公がとても好感を持てる人物だからです。
誰かの困り事に対して、最初は拒否反応を示します。
しかし、結局は自分のお人好しな性格に従って困っている人たちを助けます。
とても魅力的です。
是非読んでみてください!
気づくと銀色の毛を持つ兎の妖に転生していた主人公。周りの状況や事情が掴めないままに巻き込まれた、とある事件を解決し、その評判が妖の世界にクチコミで広がってしまい、次から次へと巻き込まれ……嫌がりながらも引き受けて解決していくその冷静な手腕と、なんだかんだ助けてしまうお人好しさ、憎めない相棒のカミくんなど増えていく仲間たち。妖世界の冒険譚としてだけでなく、チクリと風刺がきいていたりコミカルだったりで、読者を飽きさせない、素敵な物語です。あなたも一緒に、妖世界の解決旅を楽しみませんか?
【レビュー企画から参りました。20話まで拝読致しました】
10話まで拝読したレビューになります。
二足歩行兎の妖に転生した主人公の冒険記です。
蓮華姫や羊家族など、山の中のメルヘンな世界観がとても心地よいです。
でもかわいらしいだけでなく、野宿や岩山など危険な旅も描かれていて、ハラハラしながら読み進めることができます。
文体は主人公の一人称ですが、落ち着いた大人という印象で難なく没入できました。落ち着いた優しい語り口なので、寝る前の読書に最適!たまに漏れる本音も微笑ましいです。
そして最大の謎が、紙人形。濡れても破れないしくしゃくしゃにしてもピンピンしてるし。君は一体何者なんだい?
そんな兎主人公と紙人形のコンビが民草のお悩みを解決しながら妖世界の帝になっていく物語。
ほっこりしたい時におススメの一作です!