靴を、ちょうだい—— 城下に夜々現れる少女の幽霊はいったい何を語るのか

『イリスのリボン』
年若いファルファーラ国の国王に仕えるジェラルド、チェーザレ、アントーニ、ベネデッドの4人は若い日を共に過ごした親友だった。

月日が過ぎてジェラルドは国王を支える宰相に、チェーザレは近衛隊長となり、他の二人も国を支える役目を担うようになっていた。

ある時、ジェラルドの屋敷が何者かによる火事で焼け、その妻子が行方不明になる。ジェラルドは憔悴しながらもチェーザレを始めとする友人や部下に助けられ、事件の真相に迫っていく。愛しい妻と娘はいったいどこに——

物語は華やかな、そして石畳の音も聞こえる西欧風の王国で展開されます。物語の見どころは会話で紡がれていく登場人物の関係性です。ジェラルドと登場人物たちの関係が流麗な会話の流れで読み手の頭の中に浮かび上がります。

変わりたくないから、変わってしまった。変わりたくないから、側にいる。

主要登場人物は、皆、イケオジばかりです(ง •̀ω•́)งYes! マッチョ要素もふんだんに。イケオジな彼らだからこそ成り立つ物語であり、味わうことのできる物語の余韻かと思います。あ、もちろん若い子たちも頑張ってます!

まるで映画を見るようにその場面場面の映像が再現され、物語世界へ引き込まれていく感覚を是非、味わってみてください!

読書のお供に香りのよい紅茶と砂糖菓子を添えて。

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