意地っ張りな男子の甘酸っぱく切ない青春短編
- ★★ Very Good!!
中学生特有の甘酸っぱく、ほろ苦さもある青春の1ページを堪能できる短編小説でした。
『好きな子に対して素直になれない男子』というのはあるあるですが、「そういう態度を取っていたら、そりゃそうなっちゃうよねー」といった感じで胸がキュッとなりました。大人になった今でこそ、他人視点で見れば「いつか良い思い出になるさ」と言いたくなりますが、当事者にとっては深いショックや絶望を味わいますよね。その感情が巧く表現されていたと思います。
ただ短編としては綺麗にまとまっていますが、『意地悪してたら普通に嫌われた』や『雨に濡れて涙に気付くのは自分だけ』といったアイデアは、特別珍しいものではないと思うので、その辺でもうひと工夫というかオリジナティのある演出などがあれば、更に素晴らしい短編を生み出せると感じました。
感情表現や描写などは違和感なく、基本はキッチリできている印象だったため、今後の作品に期待が持てます。
好きな子には、普通に優しくするべき(教訓)