5通目
拝啓、凪へ。
夏がようやく終わろうとしています。
夏はやっぱり嫌いだけど、この時期くらいになると凪と一緒に過ごした夏休みの記憶が蘇ってきたりする。
暑さが嫌いな私たちが、何を思ってか大好きなバンドが参加するからって野外フェスに行こうとしたの覚えてる?
結局しばらく経って、冷静になって止めたやつ。(笑)
だけど気持ちはなんか盛り上がってたから、2人でカラオケ行ってめちゃくちゃはしゃいだのすげー覚えてる。
そのバンドの曲ももちろんだけど、めちゃくちゃいろんな曲歌ってた中で、凪がバラード歌ってたらサビ前くらいでピタッと止まって。
ポロポロ泣き出して。
超慌てたやつ。
あの時は私もパニクってたのと、あんまり根掘り葉掘り聞くのも悪いかなってただ慰めて、落ち着かせて、そんでもう一回盛り上げるしか出来なかったんだけど。
実は後からお前のとこのにーちゃんに怒られながら「凪ちゃんは叔父さん(凪のお父さん)とトラブってる」って聞いちゃったんだよね。
過保護のにーちゃんが話すなら間違いないのは知ってたし、私をめちゃくちゃ嫌ってるあの人が私に暴露しちゃうくらい凪は苦労してるんだ、って思って、夏休み死ぬほど遊びに連れて回ってやろう!!と思ったりして。
実際めちゃくちゃ会ってた。学校もないのに週3日とか会ってたよね?ひどい時4日連続とかで会ってたし。
カラオケいったり、ゲーセン行ったり、ウインドウショッピングしたり、映画みたり、図書館行ったり、自転車でわけわからん地元探検したり、カフェ行ったり、アイス食べに行ったり、凪の家(他に誰も居なくて行きやすかった)に行ってゲームしたり漫画読んだり宿題頭抱えながらやったり…最終凪の家通いすぎて日用品の買い出しとか一緒に行ってたり。(笑)
バイトない日は8割くらい凪と(航もいたりしたけど)一緒で、アホみたいに出掛けるもんだから、私の母親にはめちゃくちゃ心配されたんだけど、私は楽しくて仕方なかった。
覚えてるかなぁ。
あのときの凪、どう思ってた?
私にはなーんも解決してあげられない問題だったから、せめてたっぷり遊んで、楽しんで、その間だけでも忘れてくれてれば、なんて思ってたんだけど。
凪にとっても、ある意味特別な夏だったって、思ってもらえてたら光栄かな。
そんな楽しい思い出が蘇る一方で
暑さ苦手で夏大キライな私にとっては、早く夏が終わって欲しかったりします。
…余計なこと思い出して寂しいしね?
凪も早く涼しくなるようにお祈りしててね!!!ほんと頼むからね!!!!!
よく分からないまま、まとまらない手紙になっちゃった。ごめんね?(笑)
また手紙書くときはもうちょいマトモなの書けるように頑張ります。(多分。)
奏。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます