3通目
拝啓、航へ
お前には優しい言葉とか使ってやらねーからな?(笑)
凪には優しくしたい(あんなお人形さんみたいな子を粗雑に扱おうとは思えないので)んだけど、航に関しては割りと出会った瞬間から雑だったね。
初めて出会ったのが中学3年とかだったね。
当時の私は、中学時代にいろいろありすぎて、荒んでて、正直凪と他数人の友人を除いては警戒心マックスで過ごしてたから許して欲しいよね。
それがまぁ、サボる先がちょこちょこ被るし、保健室で寝ようとしたらベッドに先客居るしで当時はめちゃくちゃ腹立ってた気がする。なんだこいつって。
まぁでも顔付き合わせていくうちに意気投合しちゃうんですけど。
今日、たまたまお前と一緒に買い物行ったショッピングモールがテレビに映ってて懐かしいなぁってなった。
地元が田舎過ぎて、そこまで行くのにどんなに頑張っても電車で1時間掛かるけど、地元にそんなモールはないから大半の高校生はその辺まで足伸ばしてたよね。
だからまぁ当然凪とか、他の友達とかともそのモールは行ってるんだけど、私としては航との思い出が1番濃い場所だったりする。
知ってる?
初めて二人で学校サボって一緒にあの場所に遊びに行ったあの日にお前のこと好きになってたって。
言ったっけ?言ってない気がする。
…当時はそんなの恥ずかしくて到底言える気がしなかったから、多分言ってないと思う。
お互い身長も高くてよく実年齢より上に見られるから、大学生のフリしてうろうろ遊んで。
洋服見たり、昼飯食べたり、ゲーセンで遊んだりした後、最後に本屋行こうって話になって。
もー忘れもしないわ。
文房具のコーナーでピタッと止まって、シールとかマスキングテープ見てわくわくしちゃった私見て笑ったよな、お前。
年頃だったから恥ずかしくて、多分顔赤くしながら航に何だかんだ言ったと思うんだけど(何を言ったかは覚えてないけど!)
それに航はニヤケ半分混ざった笑顔で…なんて返したか覚えてる?
「いーじゃん別に。そういうお前見られるのも俺だけってことでしょ?」
ですよ?
…今振り返ったら半分告白かよ、って感じですね?
(まぁその時既に君は私のこと好きだったらしいって凪に後から聞いて笑いました)
お前があんまりに笑うので、ちょっとドキッとした自分はほんと愚かだなって思う。
…まぁ今日その本屋が紹介されてて、いつの間にか本屋の名前が変わってた(見た目はあんまり変わってなかったけど)を見てちょっと時間の流れを感じちゃったので、航に手紙でも書いとこうかなーって感じでした
今度お前と見て買ったマスキングテープまた買いたそうと思います。
あーやだやだ!
センチメンタル似合わないから終わり!
今日はここまで!また手紙書きます!
奏
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます