危機を乗り越えた!?
「うわぁあああ~。あっあれ…」
いつになっても襲ってこない夢食獣。ゆっくりと目を開けると…。
さっきまで居た夢食獣は居なくなっており、まるで煙の様に消えていた。
―夢じゃあないよな…。
と引き裂かれた壁を見て現実で起こった事だとわかる。
「何で、いなくなったんだ…」
と不思議に思っていると、引き裂かれた壁から太陽の光が昇る。
「そうか、あいつらは光に弱いって」
夢食獣は夜が終わるのが分かり、逃げたのだろうと勝手に理解した。
―そういえば、カンネラ。
命がけで守ってくれたカンネラを見る。―意識がない。
「おい。カンネラ。大丈夫か」
何度も体を揺するが、反応がない。
それと、徐々にログハウス全体が薄く透明になり、風を感じる。
なんだ。消えかかっているのか…。取りあえず、気絶したカンネラを背負って、ログハウスから出る。と同時にログハウスが完全に消えた。
―さあ、どうしよう。
カンネラの意識が戻るまで、ここに留まる。と考えたが、夜になっても戻らないなら、独りで夢食獣と戦う羽目になる。―一方的に食われておしまいだ。
だが、このまま移動するとなっても、防具を含め五十キロくらいのカンネラを背負っているし、俺の体力が持つ自信がない。それに、右も左を見ても道もない大草原という訳だ。
でも気楽にという、訳にも行かない…。カンネラの状態も良くはないのは確実…。病院がある街に行こうにも地図がない。
―待てよ…。
ふと、カンネラのバックを思い出す。
「カンネラのバックは…どこだ」
と周りを見るがない。
夢食獣達が食い破ったのだろうが、鞄の端切れ一つもない。
―あの鞄に地図が入っていたらな…。
とその願いはため息とともに捨てる。
気持ちを切り替え、「よしっ」と意気込み歩き始める。
「まあ、真っ直ぐ歩くか…」
真っ直ぐ歩いていれば、村にでも着くだろう。という客観的な考えだが、今、自分が出来る事はこの地から離れる事だろう。それに、今はカンネラが心配だ。出来るだけ早く歩いた。
イメージネイション ~イメージしたモノが具現化する異世界~ 髪毛さん @kami_ke
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