耀王の第二王子に嫁ぐため、故国を後にした伽弥姫だったが……。刺客に襲われ、絶体絶命のピンチに! そこに颯爽と現れたのが<烈風>の朱峩!
その強さは凄まじく、爽快感ある活躍を見せてくれました!
渦巻く陰謀に巻き込まれ、命を狙われつつも故国を目指す伽弥姫一行。襲い来る強敵や困難にはハラハラしますが、それらを跳ね除け、突き進んでいく様子は胸が熱くなります。
そして、旅を経て成長していく伽弥姫の姿には、このお方ならきっと国を立て直してくれるはず、と希望の光が見えてきます。
絶対悪、胡羅氾の汚いやり方には都度憤慨しましたが、朱峩なら何とかしてくれるはず! と期待しながら拝読しました。それほどまでに、朱峩は魅力あふれるキャラクターでした。
ぜひ、読んでみてください!
読み進めるごとに胸がいっぱいになってくる作品です。
中華・武侠の世界を舞台に、伽弥姫や放浪の武人である朱峩たちが危険に満ちた度を繰り広げます。
謀略渦巻く世界の中で、耀王の第二王子に嫁ごうと故国を出た伽弥。しかし謎の刺客に命を狙われ、窮地に陥ったところを朱峩の手で救われる。
再び故国へ戻ろうとするも、その先でも次々と危険に見舞われることになる。
世界観が熱い! 登場人物が熱い! そして中華ならではの多種多様な武術によるバトルが熱い!
この作品、オープンワールドのアクションRPGか何かにしてPS5とかの美麗な映像でプレイしたいな、と読んでいて思わされました。
敵として襲ってくる『七曜』という集団も個性が強く、その上で単なる悪役ではなく裏事情などもあり、世界観の深みを感じさせてくれます。
事実上の敵存在である胡羅氾の汚さ。その一方で敵対しつつも互いを認め合う武人たちの姿。そうした対比が綺麗に描かれていて、物語はどんどんクライマックスへと向かって行く。
ラストも清々しく、「激動の時代を駆け抜けた」という強烈な達成感が醸し出されていました。
なんという、素敵な作品を読んだんだろう。そうして胸がいっぱいになります。
カッコよくて熱くて、そして何より感動する。そんな総合的なエンターテインメント活劇。多くの方にオススメしたいです。
この作者は、どのジャンルに於いても
完璧な作品を残す。
それを確固たるものにしたのが、この
【異世界武侠活劇】敢帰行ー曄姫千里を
征き、故国を目指す
…題名が、長い。
しかしながら!この
矢鱈と画数の多い 漢字 と、独特の
世界観の中で語られる物語は至って痛快!
と或る国の、美しい姫の政略結婚が決まり
国を跨いだ輿入れの旅が始まるも、様々な
困難や策略が露呈する。そして、命を
狙われつつも、故国へと戻る曄姫、伽弥。
姫を守りつつ悪事を白日の下に晒す、
武絶と呼ばれる漢、朱峩。
つい、引き込まれて読んでしまう、この
勧善懲悪の物語。見た事もない生き物を
駆って大地を征き、想像するに魅力的な
食べ物、そして異国の街並みを堪能する。
そして、忘れてはならないのが、一貫して
根底に流れる、勧善懲悪と因果応報。
人の眞心が求めて止まないものがここに
ある。同時に主人公、曄姫伽弥の、心の
成長の物語でもあるのだ。
ラストの圧巻は、まさに映画として見て
みたい程の迫力!
間違いなく感動を齎す爽快な作品だ!
政略結婚。
王侯貴族のいる時代・世界では当たり前のように行われることですね。
伽弥姫の輿入れも、やはり政略結婚でした。
耀王の第二王子のもとへ。
ところが途中で襲撃に合い、たどり着くことができなかったのです。
<烈風>と綽名される朱峩に助けられ、命は助かったものの、襲撃された理由を知って、このまま進むことは無理と判断した伽弥姫。
故国に引き返そうとしますが、あらゆる妨害を受け、困難の道を歩むことになります。
伽弥姫はどうなるのでしょうか。
伽弥姫を助ける朱峩は、彼女を守りきれるでしょうか。
この旅によって、上に立つ者として成長していく伽弥姫。
朱毛朱髯の好漢、<烈風>の朱峩の活躍がスカッとします。とにかく強い!
麻のように乱れていく国々の間で、ふたりの運命をぜひ見届けてください。
綿密に作り込まれた世界感、だからこそぶわりと緻密に広がる光景。典麗な文章が紡ぐ物語、だからこそワクワク・ドキドキ・ハラハラと言ったスリリングな心がより沸き立つ……なんて言う風に、この物語はどこを取っても素晴らしく、色々な要素が織り込まれた凄すぎる世界なんですよ!
読んでいると本当に楽しめますし、バトル展開の部分も本当にハラハラです!そして刺さる言葉も多くありますし、旅路にある伽弥姫の成長も窺えるので、人によってはピックアップする人物が違うのもこの物語の面白さの一つだと思います。
まだ物語は終わりではありません、この先もどんどんと大波乱が起こるでしょう!なので、皆様、一緒に読み進めてみませんか?!
本レビューを書いている2024年11月30日現在、本作は【07-2】まで公開されたところです。連載途中であり、結末までに評者とは違う狙いにそって進むかもしれません。外れましたら早とちりをお笑い願います。
多くの物語でヴィラン(悪役)が影を背負う第二の主役であるのと同様、本作も敵役が影の主役と言えます。
その人物が背負った運命は、作品を読んでお確かめいただきたいのですが、人の身には過酷なものが続きます。受けたものだけを見れば同情も生じます。しかし、当人が世に復讐するかの如くに振る舞った、その数々が、同情を吹き飛ばし怨嗟を生みます。
すると主人公である姫が背負うものは。美しすぎる故に国を傾けると疎まれ、婚儀がまとまり輿入れすれば心臓が止まるような仕打ちを受けます。これは酷い、酷すぎます。
運命が酷いからといって、その後にどうすればいいのでしょう。鬼道に墜ちれば敵役と同じ。彼女は、しかと前を向きます。「美貌」でなく「美しい人」とは彼女のことを言います。
そして彼女に前を向かせるための力添えをするのは絶世の武人。「美女」ではなく「武人」に「絶世」とは奇妙な言いようですが、彼にはその形容が相応しいです。理不尽をへし折る力と、道を誤らぬ見識。これ以上頼れる者はおりません。しかし個人が万能であると話が容易に成りすぎます。これから、いかように進むのか。目が離せません。
誰もが運命に抗えるなら、皆様が本作をお読みになるもならぬも自由です。ただ、読んだ方が得だと申し添えます。