退廃的な、けれど現在の自分と離れすぎない価値観で描かれたスチームパンクの世界観。
そんな舞台に生きる人々の会話劇は小気味よく、登場人物一人一人に鮮やかな個性と、強かさがあります。
そして外界からの来訪者により、大きく物語は進んでいく。
この作者の世界だからこそ描けた、最高のエンターテイメントです!
シュライバーという、義肢であり武装。
そこに込められたロマン溢れる、銃撃をはじめ多彩なアクション。
そして何よりも個性豊かなキャラクターの会話劇が魅力の作品です!
是非、ご堪能ください。
レビューのキャッチコピーは、終盤に好きだったフレーズを少し変えて使わせていただきました。
サイバーパンク小説に似た雰囲気がありますが、私が読み進めているところまででは退廃的近未来SF格闘アクションものといった感じ。
「シュライバー」と呼ばれる機械の義肢を装着した者たちの物語なのですが、このシュライバーごとに特徴、特殊能力があってアクションに彩りを与えます。
鋼鉄ジーグのように一瞬で義肢を装着するオモチャ的なスピーディさはなく、しっかりじっくり調整して感覚を馴染ませていくというリアル志向ですが、反対に戦いは実にスピーディかつ痛快。
主人公のハナと、ひょんな出会いを遂げた少女である六花との、つんけんした舌戦がとても楽しいです。二人、いつか仲良く戦う時がくるのかな。