銃のようなもの

　２０２２年７月８日の安倍元総理銃撃事件の新聞報道では、一部に「銃のようなもの」というフレーズがありました。使われていたのは当日の大手紙の夕刊だけだったようで、特に話題にもなりませんでしたが、世の中にはニュース等での「バールのようなもの」「銃のようなもの」といった表現にイラっと来るタイプの人間がおりまして、私はもろにそれです　笑。
　なぜイラッと来るか、この作品を書きながら登場人物に色々喋らせていると、思いがけず、これは結構深い話なんじゃないか、今回の事件の根本にも関わる文化論になるんじゃないかとの思索を得(あるいは妄想をたくましくし)、そういう面も盛り込んだ短編になりました。
　結果、気楽に笑い飛ばせるバカSFという狙いからは微妙にずれましたけれども、クセのある苦味とか歯ごたえみたいなもの…続きを読む