「あの~」
一人暮らしの部屋のどこかから、そんな声がかかったら。
あなたならどうしますか?
聞こえなかったフリをする?
逃げだす?
この物語の主人公である大吾は、思わず返事をしてうっかり会話を成立させてしまいます。
声の主は、急病で亡くなった前の住人である麻。
え、やっぱり幽霊⁉︎
普通ならゾッとしてしまいそうですが、この麻ちゃん。ひとり暮らしの方ならば、自分の部屋にも麻ちゃんがいてくれたらな〜と思ってしまうくらい温かい雰囲気のとても素敵なお姉さんなのです。
この物語は、大吾と声だけの存在である麻との不思議な同居生活を中心に綴られます。
そして、一緒に過ごす中で、お互いに通じ合っていき信頼を深める2人。
大吾の関西弁も魅力的ですし、主人公の周りの人々も思いやりがあって胸がじんとなるシーンがあちこちにあるなど読みどころたっぷり♪
心と心で繋がっていく、温かく切ないプラトニックな恋と穏やかな人間ドラマが味わえる素敵な物語です。
どうぞ、読んでみてください。