エピローグ

太陽の騎士と嵐の王

〇すべての決着。三人の旅立ち


・決着の後、水上警察がやってきた

・唐突な竜巻、落雷。そしてイモータル。それほどの騒ぎでは動かざるを得ず

・面倒を避けるためコッコとマータは急いでその場を離れた。イモータルは弔えない。死者ではないから。コッコはそれだけが心残りだったが、すでにトニーの魂はどこにもない

・「同情か? 優しいのか」

・「ボクは、みんなを救いたかった。彼も救われる道があったんじゃないか」

・「奴は既に手遅れだった。悪夢に侵されていた。人を食っていた分、進行は早かったろう。こうして倒されただけでも『救い』はあったろうさ」

・「……そういう考え方は、あんまり好きじゃない」

・「背負うなよ。キリがないぞ」

・「わかってる。一応。そのつもり」

・駅のホームに立つコッコ。イズモタウンへ向かう電車を待っている。

・傍らにはマータも

・「結局港湾労働者組合は壊滅状態だし、ホテル・ウィクトーリアも、これ以上は利益が見込めないってんでストームルーラーに関わる気はないようだ。もちろん事が起これば別だが、異能を使わなければ、普通に暮らしていくこともできる」

・「うん……」

・「ほら。ボクのケータイの番号と、メールアドレス。困ったことがあったらすぐ駆けつけるから」

・「うん……マータはケータイ持ってないけど……」

・コッコの連絡先を受け取るマータ。

・そしてホームに電車が来て、ドアが開く。

・乗り込むコッコとイナバ

・「イナバも来るんだ?」

・「こうなっちまった以上、レイヴンをもう一度捜さなきゃならんようだ。あいつ行方不明なんだってな? 連絡先を知ってるのはお前だけだ。しばらく世話になるぜ」

・「……別に良いけど、ボクのアパートペット平気だったかな」

・「ぬいぐるみって言い張れ。平気だろ」

・「うん。それじゃあ……」

・向かい合うコッコとマータ。

・「お元気で。マータちゃん」

・「さようなら。ココねー」

・ドアが閉まる。

・電車が発車する。

・窓の外を見るコッコ

・「次は、もうちょっとゆっくり観光したいなあ」

・「そうだな」

・「マータちゃんも、そう思う?」

・コッコの胸に抱きとめられていたマータ。

・マータは頷く

・「マータは。ここがいい。ここにいたい」

・都市にいても。岩礁に帰っても。居場所など無くて。力を得た所で、それは何にも変わりなく。

・その心で。その意志で。

・『護るべきもの』がある、その場所に。

・「それじゃあ。帰ろうか」

・コッコはやさしく、マータの頭を撫でていた。

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