癒しの力を持つ聖女・メルヴィオラは、己の力を真に目覚めさせる「祈花の旅」という儀式の巡礼中に、大きな狼の姿をした人間――海賊の船長・ラギウスに攫われてしまう。
ラギウスの目的は、メルヴィオラの癒しの力によって呪いを解いてもらい、狼から人間の姿に戻ること。
メルヴィオラは浄化の力を使って呪いを解き、ラギウスは人の姿を取り戻したものの、完全には解呪できなかったため、ラギウスの身体には狼の耳と尻尾が残ってしまい……。
本作は、呪いを解いてほしい俺様系海賊と、海賊船で「祈花の旅」を継続して力を目覚めさせていく聖女の、ケンカップル恋愛ファンタジーです。すごく強引だけど決してメルヴィオラを傷つけないラギウスと、そんなラギウスに少しずつ、次第に急速に惹かれていくメルヴィオラの掛け合いは、自由を謳歌する海賊の笑い声みたいに軽やかで、全編を通して前向きな明るさに包まれています。
そんな二人の仲間たちも、精霊、インテリ、マッチョ……と、個性豊かな顔ぶれが揃っています。私の最推しはイーゴンです。逞しい筋肉と、繊細な言葉から伝わる包容力を、ぜひ本文で確かめてみてください。
とびきり明るい気持ちになれて、爽やかな読後感を与えてくれる物語でした。とってもおすすめです!
良い意味で王道の愛と冒険の物語でした。最初はどうなることやらというかメルヴィオラがもっとツンケンしてしまいギクシャクしたりする展開になるのかなと思いましたが実際は親しみやすく快活な女性だったので安心して読み進めることができました。ラギウスも掴み所がない性格でメルヴィオラをからかっていたかと思えば情熱的な愛を示すものだからこれにはメルヴィオラのみならずドキドキさせられました。クルーも個性的な人々が多く、私が特に気に入ったのはイーゴンです。筋肉のある乙女は良い。番外編で彼(彼女)のことが語られていて良かったです。そしてパトリック。彼も単なる当て馬でなく必要な存在として魅力を発揮してくれました。いつかエリス姫との物語をよんでみたいです。ダンジョンの描写など難しそうだなと思いつつ素敵な世界を魅せてくださりありがとうございました。スピンオフもいろいろ読んでみたくなる作品でした。
コミカルな感じで始まる本作。
怒濤の展開に、ついつい引き込まれました。
また個性豊かなキャラクターたちが良いです。
みんなと一緒に旅をしているみたいで、とにかく「楽しい!」の一言に尽きます。
特にイーゴンのキャラは強烈すぎて(笑)しばらく忘れられそうにありません。
真っ先にイーゴンについて語ってしまいましたが(だって強烈なんだもの……)
もちろん、主人公カップルのふたりや他のキャラも魅力的です。
なんだかんだいいところをさらっていくラギウス、ツンデレ(?)な聖女メルヴィオラ。
そして私が一番好きなのがパトリックです。
炎使いの金髪イケメン海軍というヒーロー属性満点なのに、気の毒なポジション!
パトリックも幸せになってほしいです!
聖女が海賊にさらわれることで始まる物語ですが、どうして海賊をやっているのか……だけではなくとある事実の真相まで明らかになって驚きました。
旅をしながら少しずつ事実が明らかになっていく過程が絶妙でした。
読み応えがあります。
あと「甘さ控えめ」と聞いていたのですが、いやいや甘さ相当ありますよ! っていうかこれで控えめ!?
さすが恋愛ファンタジーマスターの月音さん!と、うなりました。
とにかく楽しい海賊との旅でした。
これから番外編を楽しませていただきます!
ファンタジー、海賊、ケモ耳、聖女、ケンカップル。
これだけでも既に萌える要素ですが、月音さまはそれらを用いて素晴らしい物語にしてくれています。
文章力、表現力、男女の心情、ロマンチックな場面の書き方。毎回、本当に尊敬します。ハラハラしたり、キュンキュンしたり。
最近は体調不良が続いていたので連日は読めなかったのですが、もし元気だったら最終話まで一気読みしていました。それくらい面白い。
個性的なキャラがたくさん出てくるので、推しが見つかるはずです。本編は終わりましたが、是非、彼らの番外編を書いていただきたいです。
本当に、本気で、おすすめです!!
まるで乙女ゲームの世界に入ったかのようなラブなコメディロマンス!!
最後まで読ませていただきました。
こちらの物語は、とある呪いから狼の姿となってしまった海賊の船長ラギウスと、聖女であるメルヴィオラのドタバタな恋愛物語です。
その二人と愉快な仲間たちは、その狼の呪いを解く旅を描くストーリーとなっています。
ヒーローとヒロインもとてもかっこよく可愛いのですが、他の登場人物もとっても魅力的で、すごく好きな部分です。
海賊の仲間たちや他の人物も数人出てくるのですが、みんなそれぞれ個性豊かで、ヒロインとはくっつかない運命だとしても、思わず応援したくなってしまいます。
まるで乙女ゲームの世界にいるかのような思いが味わえ、皆さんそれぞれの推しが見つかるのでは…!?と思います。
また作者さまの達筆な言語での表現力で、コミカルの中でも神秘的で美しい情景描写も必見です。
恋愛物語ですので、甘く濃厚な部分も随所に見られ、ときめきを摂取したい方にもとてもおすすめな物語です!
ファンタジー海賊といえば奪ってなんぼ、冒険してなんぼ!そんなセオリーから外れることのない楽しい海賊たちの船長ラギウスと、彼に『奪われてしまった』聖女メルヴィオラ。脳内アニメ再生余裕なドタバタなはじまりが、あっという間に彼女と読者を大海原へと連れ出してしまいます。
メルヴィオラの聖女としての務めは、各地にある不思議な樹に祈りを捧げる儀式をこなすこと。決まりきった使命に辟易としていた彼女ですが、まさかの海賊に攫われるというヘビー級の冒険をはじめることになります。しかもラギウスは狼になってしまう自分の身体を治してほしいがため、メルヴィオラの持つ癒しの力=涙を狙っています。こぼれ落ちた涙が真珠になるという大変美しい設定なのに、彼はお構いなくぺろぺろぺろぺろ。しかし同時にきちんと彼女を女として見ている部分もあり、慣れない異性からの攻めの連続に聖女さまはへろへろです。
そんなフリーダムな船長が率いる海賊たちもまたフリーダムな面々ばかり。毒舌な風の精霊、心はヲトメなゴリマッチョ、我関せずな本の虫……。神殿で大事に育てられてきた“箱入り”のメルヴィオラにはすべてが驚きと危険に満ちていましたが、外の風に触れるうちに彼女もまた人生の視野を広げていくのです。癒しの力を持つ聖女の秘密は歴史的にも読み応えがあるパートなので、恋愛だけじゃ物足りないファンタジー好きさんにもぴったり。
ケンカばかりしていた二人がだんだんとお互いを意識し、やがて離れ難い存在へと変化していく過程がお見事。簡単に結ばれないのもまたよいスパイスとなり、ハッピーエンドへと一気に雪崩れ込むラストは爽快です。そうそうこれこれ!!これを待ってました、ありがとう!!といつまでも拍手したくなります。
他の作品もそうですが、とても情景描写が美しい作者さんです。ファンタジーシーンでも恋愛シーンでも、甘く蕩けるような、そして透き通るような美しさが散りばめられているのです。まるで読む宝石のよう!
楽しく笑えて、恋心にキュンとして、そしてたくさんの元気をもらえる素敵な物語。寒い冬だからこそ、あなたも海賊船エルフィリーザ号に乗って彼らとの冒険に出かけてはいかがでしょうか♡
魔狼の呪いにかかってしまった海賊ラギウスと気の強い聖女メルヴィオラのカップルが織りなす恋愛ファンタジーです。
まずのっけから引き込まれる要素がてんこもり!ラギウスは俺様系で強引な海賊ですが、中途半端に残ってしまった狼の耳と尻尾のせいで感情がダダ漏れです。口では憎まれ口を叩きながらも、尻尾が嬉しさにぴょこぴょこ揺れている姿を見て「何このヒーロー可愛い!」なんて思ってしまったら、もうあなたはラギウスの虜。
メルヴィオラも気が強い聖女ですが、優しい一面や芯の強さもあり、見ていて好感の持てるヒロインです。
主人公以外のサブキャラも本当に魅力的で、読んでいくうちにこんな船に乗って旅したいと思うこと間違いなし。乗組員は皆優しく、ヴィオラを大事にしてくれる為逆ハーレム要素も楽しめてしまう。とは言うものの、そこにあるのは恋愛感情ではないので雰囲気はドロドロしておらず、あくまで周囲のサブキャラ達に大事にされつつラギウスとの恋を堪能できるイメージです。
物語が進むにつれて明らかになるラギウスの正体や女神ルーテリエルの真相。そして確かな筆力で描かれる風景描写は、読者にファンタジー世界の魅力を余すことなく堪能させてくれます。
もちろん、ラギウスとのロマンスシーンも必見。ぎゃあぎゃあ喧嘩していると思いきや、二人の思いが重なり合う描写は息を止めてしまうほどに濃厚で、まるで一緒に溺れてしまいそうな程にロマンチックです。
美しい海と花の世界で素敵な恋をしてみたい。
乙女の夢見る世界を体感したい方、必見です!
俺様で強引な海賊さん×勝ち気な聖女さまのケンカップルが微笑ましい、冒険ファンタジー作品です。
癒しの力を持つ聖女メルヴィオラは、聖女として正式な力を得るための「祈花の旅」へ出発する直前、喋る大きな狼に連れ去られてしまいます。
その正体は海賊ラギウス。彼は宝を狙って立ち入った遺跡で、魔狼の呪いにかけられてしまったのだと言います。彼女をさらった理由も、彼女に呪いを解いてもらうためだとか。
仕方がないなと呪いを解いてあげるメルヴィオラでしたが、なんと祈花の旅が終わってないからなのか何なのか、中途半端に解けた呪いで狼の耳と尻尾が残ったままに!?
呪いを完全に解くため、メルヴィオラはラギウスたち海賊と共に祈花の旅へ向かうことになりますが……。
タイトルにもあるように、ラギウスはメルヴィオラを気に入り、事あるごとにアプローチ。時に強引に時に優しく、そんな彼にドキドキしながらも、負けじとやり返すメルヴィオラはとても可愛らしいです。
ラギウスもいつも余裕そうに見え、尻尾や耳を見れば何を考えているか一目瞭然。嬉しそうに揺れる尻尾や垂れた耳は、思わず触りたくなってしまいます。
そんなラブコメも楽しい物語ですが、徐々に明らかになるラギウスたちの目的や聖女に隠された秘密、祈花の旅が終わりに近づくに連れ、不穏な影も立ち込めてきます。
そんな彼女たちの運命も、ハラハラドキドキさせてくれること間違いなしです!
そして、ラストシーンは必読。
美しい描写と決め台詞に、読者も思わず心奪われてしまいます……!
是非あなたも魅力的な海賊さんに奪われに来てください。
海賊•ラギウスが魔狼の呪いを解いてもらうべく、癒しの力を持つ聖女•メルヴィオラを攫う所からこの物語は始まります。
粗暴で柄の悪い男達だらけの海賊船に乗せられた聖女のメルヴィオラ、さぞかし恐怖で震えているのではと思いきや。海賊相手でも怯むことのない気の強さには好感を覚えることでしょう。
海賊船にはラギウスの他にも個性豊かな船員達が勢揃い! 彼らとの航海、楽しくないわけがありません。
喧嘩ばかりのラギウスとメルヴィオラの恋愛ももちろんのこと、航海が進むにつれて彼らに絡みつく様々な謎が物語を盛り上げていきます。
皆様も是非、ケモ耳船長の乗る海賊船エルフィリーザ号に乗って、ケンカップルの恋愛模様と深みのあるファンタジーの世界を巡る海の旅をご堪能ください!
個性的な仲間達と海を旅する、キュンとする痛快ファンタジー!
純白の衣装に宙を舞う花びら、彼女を見送る群衆の輝く笑顔——その晴れやかな場面とは裏腹に、少しだけ憂鬱そうな主人公メルヴィオラがこれから向かうのは『祈花の旅』。
マノール海域に四つあるフィロスの樹全てに、花を咲かせる……正式な聖女となる者にしかできない儀式の旅をそう呼ぶという。
そこに突然訪れた黒い影。攫われたメルヴィオラに「呪いを解け」と迫るのは一匹の狼。渋々ながらに協力すると、そこに現れたのは尻尾と耳が残ったままになってしまった海賊、ラギウスだった。
聖女たれと諭されるように旅に出るはずだったメルヴィオラが、粗暴だけど人を惹きつける俺様海賊と共に彼の呪いを解く旅に出る——。
これだけでも十分に面白いのですが、本作で目を引くのはキャラクター達それぞれの溢れる魅力!
聖女であるメルヴィオラはどうしたことか負けん気が強い。旅に出たことでより一層、ラギウスとの会話で彼女らしさが引き出されているようでそこがまた可愛い。
四方八方どこを向けども俺様で強いラギウスも、嬉しさが尻尾で表現されて隠せてなかったり、メルヴィオラを気遣ってみせたりとただの暴れん坊ではないところもニコニコしてしまう。
そんな二人を取り囲む海賊達がまた良いキャラしてるんです! ネタバレになってしまうので、気になる人は本編で彼らの魅力を存分に味わってほしい。本当読んでほしい。確実に推しができるはず。
追ってくる海軍やそれぞれの場所に潜む謎。
そしてラギウスの呪いは解けるのか?
メルヴィオラは祈花の旅を無事に終えられるのか?
軽快な会話でどんどん読まされてしまう。可愛らしくてドキッとするストーリー。
さあさあ錨を上げて! 出航のお時間ですよっ!
魔狼の呪いで狼の耳と尻尾が残ってしまった海賊青年ラギウスと、半人前ながら浄化の力を持つ聖女メルヴィオラ、攫い攫われという形で出会った二人が解呪のため各地を周りながら、互いの想いを深めてゆく恋愛ファンタジーです。
一見すれば粗暴で女癖の悪そうな海賊ラギウスは、しかし狼の尻尾と耳があるせいで本心を隠すことができません。軽口を叩きながらもぶんぶん揺れている尻尾を見れば、攫われた側であるメルヴィオラとしても悪い気はしないもの。二人は終始そんな関係で、言い合いをする仲なのに溺愛されている、という面白さがあります。
しかも、メルヴィオラが持つ浄化の力は涙を通して発揮されるというのあり、スキンシップは多めです。
中盤以降はラギウスたちが海賊をしている目的、事情なども明かされてゆき、ますます恋愛色も強くなってゆきます。筆致もテンポ良く、ライトな読み心地でユーモアもたっぷり。一風変わった溺愛ファンタジー、ぜひご一読ください。
海賊が聖女を攫うというはじまりから、ぐっと引き込まれる魅力ある作品で、主人公二人の漫才の掛け合いかとわんばかりのリズムあるハイスピードなやり取りの間に挟み込まれる恋愛要素の緩急がたまりません(ここまで早口)。
粗野なだけな海賊かと思いきや、気の利く部分を見せる事もあるラギウス。メルヴィオラは破天荒な聖女らしからぬ聖女と思いきや、すっごく女の子してる所もあって、とにかく二人を応援したくなる感じ! ケンカもイチャイチャも、いいぞもっとやれ! みたいな気分で読めます。
脇を固める登場人物も個性派揃い。あら、こちらもちょっと素敵な人かも……? なんて登場人物もいたりして、読者間で派閥争いが勃発しそうな予感も。
ラギウスに残った呪いが今後どう絡むのか、聖女の旅の理由も気になる等、先が読みたくなる要素も満載です。
楽しいお話をご所望なら、ぜひ読んでみて欲しい一作。