マキナ

西暦2×××年。世界の上空を、一体の巨大な機械仕掛けの女神像が覆った。
彼女は通称、Dと呼ばれる、人類敵対生物を無数に生み続け、世界を混乱に陥れた。
Dは規格外の力を持ち、赤子の手をひねるよりも簡単に、人類を屠っていった。

X細胞と呼ばれる変異細胞がある。
それは人類の中でも極稀に現れる変異細胞で、それが発現した人類は、皆一様に規格外の能力を得た。
それは、Dと渡り合えるほどの。

原瀬　真希奈（はらせ　まきな）はしがない会社員である。
短期大学を卒業後、一般職の事務として中小企業に雇ってもらった、どこにでもいる会社員である。
そんな彼女にある日、政府より通達が届く。

『X細胞発現のお知らせ』。

つい先日行われた、会社主導の健康診断の結果と共に、その報せが送られてきた。
その一枚の報せ…続きを読む