自己満足じゃなく、物語として好きな催眠系の作品

※このレビューには多少のネタバレが含まれています。
 多くは語らないつもりですが、一応ある程度読んでから読むことをオススメします。

 私がこの作品と出会ったのは決してみょんさんの作品にハマっているからではありません。それこそハイシン様の作品も読んでますし他の作品にも手を出してはいますが、この作品との出会いはランキングからでした。

 最近の傾向として、過度なエロい系や青少年が興奮するようなあまり健全とは言えないようなタイトル、内容の作品がランキングの上位に入るような状態で、その内容も決して文学的とは言えない、しかしながらPVは増えるという状態でランキングに反映されている中でこの作品に出合った私としては、邪な感情全開で興味本位でこの作品に触れてしまいました。

 私の性癖を語ると長いのですが、催眠系は私の性癖にも一致しており。
 まさかカクヨムという青少年でも読めるような場所で堂々と催眠アプリを使った作品がでるとは、まったくもってけしからんと思い早速読んでみたわけです。

 このレビューを読む方の中にもそのような人が恐らく多いでしょう。
 男は無意識に求めてしまっているから、そして直接的な胸部をアピールした作品よりもマニアックであり、そして圧倒的なパワーに引き寄せられてしまうから。

 理解できない人もいるかもしれません。
 しかしながら理解できる人も多いと私は信じています。

 そしてここからがレビューとなります。
 このように長々と前置きをしたのは、ただ私がこの作品に対して邪な気持ちを抱いていて入ったということを伝える為ではなく、そのような意味で読み始めた1人であるということを理解してほしかったからです。そして、純粋無垢な人よりも多少、邪な気持ちを抱いている人の方が信用されるということもあり得ると思い純粋な気持ちを打ち明けました。

 現状の作品の評価としては素晴らしすぎます。
 レビュー内容に過度なネタバレを含まないように、とりあえずはネタバレ少なめでの評価をさせていただきます。

 私は正直なめてました。
 催眠アプリを活用する以上、エロと自己満足系主人公によるある意味無双に近い状態になると、どっちに振り切っても別に構いません。催眠アプリを活用してエロ方面に特化しても良いし、同人的な展開を考えれば合理的にそれがベストです。そのような展開は私も読んできたことがありますし好みではあります。

 ただ当然ありがちな展開が来れば、まぁ仕方ないよね催眠アプリだし...で終わるつもりでした。もしかしたら読むのをやめていたかもしれません。

 ですが、この作品はそうではなかったんです。
 ちゃんと作品の登場人物が、そしてそこには確かに主人公の存在する世界が存在していました。私がなめていた催眠を使った作品の世界は確かに存在していたんです。ここに...

 この作者様は、催眠アプリの根本的な意味を見出してくれました。
 同人的に理不尽でチートな催眠アプリは本来こうやって使うべきだったんだ。

 もしかしたら作者様も、催眠アプリを持っているのかもしれません。そして世の中に埋もれた人々を救っていたのかもしれません。そう錯覚するほどにこの作品は良くできていました。そして、その特性を存分に活かしている印象でした。

 催眠系の理不尽さもありつつ主人公(自称悪)は、自分の中にある信念を曲げることなく催眠アプリを活用して人を助けたり自分の為に使います。あくまで自分の為です。そしてそこで繰り広げられる物語は確かに最初に期待していたものとは違いました。ですが最初に期待していたものを大きく上回ってきました。

 ですから、私はあくまでこの作品をラブコメとして推奨します。
 催眠アプリを使うという文字で嫌悪感を抱く人が居るかもしれません。そしてこのレビューを見て意味が理解できない人が居るのかもしれませんが、少なからずここまでレビューを読んでいただけた方にはこの作品を推奨したいと思っています。

 そして仮に催眠を使うという点で嫌だなって思う人が居れば、とりあえず10話くらいまで読んでいただければと思います。そしてそれでもっと読みたいと思っていただけたのであれば、レビューを書いた私も布教出来たという意味で嬉しいです。




▽ここから先はある程度ネタバレが含まれます▽
※物語を読んでいない方は
 先にこの作品を読んでらもう一度来ていただけると嬉しいです。

 あくまでここから先は作品を読んでいての感想で、物語の根幹に関わるお話も含まれます。あと数行先から始まりますので先に『催眠アプリ手に入れたから好き勝手する!』を読みに行きましょう。いいですね?



―では始めます。
 正直レビューをここまで読んでくださっている方というのは極少数だと思っています。もしかしたら私のレビューを作品を読む前に読んでくださった方や作者さんが読んでくださっているのかな?もしくは、ここまで読んでくださっている方は居ない可能性もあります。

 だからほぼ自己満足です。
 ひとまず現状の最新話まで読んだ感想としては『凄いな...』の一言です。

 この作品は確かに催眠系の作品だったしエッチな描写だってあります。ですが確かに物語として出来上がっていました。最初から最新話の投稿を待つような状態でしたが、まさか最新話に近づくにつれて早く読みたくなるとは思っていませんでした。

 どうしてもラブコメは日常系に近い作品ですし、グダグダとしたり徐々に長くなってしまいます。催眠アプリを加えればそれはより可能性としてあり得たわけですが、ちゃんと最初から全て設定されていて終わってほしくない、だけど終わるんだろうなと今感じています。

 恐らく本当に作品が終わった時、私は「あぁ終わってしまったのか」とため息をつくことになると思います。それほどまでに素晴らしい作品でした。間違いなく。

 ただ性癖を詰め込むわけでなく、そこにバックグラウンドがあってこそヒロインは輝きます。ただ綺麗な石というのは磨いてもただ輝くだけですが、そこに汚れや多少のくすみがあってこそ、石というのは磨いて輝くと思います。

 この作品のヒロインは、ちゃんと生きていてそして生きているからこその依存や、またそれぞれの個性があります。主人公もそうです。ちゃんと考えて悩んで催眠アプリやヒロインと向き合っているからこそ、私はこの主人公を好きになれました。

 最初は胸糞系になると思っていました正直言って。なぜかというと、理不尽というのは胸糞と相性が良く、そして胸糞な展開というのは作品を彩るには最も簡単でそしてこの作品と相性が良いと感じたからです。その片鱗は割とありましたし、主人公の最初の印象や世界観的にもそれが適切だと考えていました。

 ですが、決してそうはなりませんでした。
 それこそヒロインの糸が主人公がそっちに行くことを防いだのかもしれないと思うほどに、私は今のめり込んでいます。

 長く長く続くのかなと思っていたところで催眠アプリや周りに少し違和感を覚え始めました。それは描写にあったことですから、自分の中で考察を立てて次はまだかなと楽しみに更新を待っていました。

 その期間もあって私は自分の中にある考察や、今後の展開を予想しながら作品を楽しむことが出来ました。そんな風に楽しませてくれたみょんさんに本当に感謝です。

 そしてそんな考察や次の展開の予想の結果も徐々に明らかになって、確かに今どんどんどんどん物語の終わりの足音が聞こえてきています。アフターを期待していましたが、もしかしたら無いのかなと思い始めています。あったら嬉しいですが。

 完結に近づいていますし、ここで考察するのはお門違いなので私の中で留めておきますが、この作品に確かにハマっていてこの作品に期待してます。

 だからこそ完結も楽しみですし同時に寂しくも思います。今まで完結する作品を最後まで読めないことがありました。私の中で永遠に物語が続いてほしいから終わってほしくないから。だけどちゃんと作品に向き合い完結の瞬間にいち早く立ち会いたいと思います。

 長々となってしまいました。私としては熱く語ったつもりですが、よくよく読んでみると内容はそこまで深くなかったレビューになってしまいました。ごめんなさい。私はこの作品が好きです。作者のみょんさん。そしてこのレビューを読んでくださっている皆さん。そしてランキングに乗る前から読んでいた皆さん。

 この作品に出合えたことの感謝を最後に述べてこのレビューを締めくくらせていただきます。普段コメントレビューをあまり書かないからかやたら長くなってしまいましたね。

 それではまた何処かでお会いしましょう。ありがとうございました。

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