ヤケドの印は微意識の赤

番外（優等生＆お調子者）

「思ったんだけど、塾の時間には若干早くね？」

「それを言ったら、自宅は逆方向なのでは？」

　むふ〜♪

　むふふ〜♪

「勉強会とは上手く考えたじゃん」

「恋バナを引き出したのも褒めて遣わそう」

　でへ〜♪

　でへへ〜♪

「もだもだし過ぎも困りもんですな」

「かと言ってフォローし過ぎるのも良くない」

　うぬ……

　うぬぬ……

「見守り隊も楽じゃないですわ」

「少なくとも一歩は進んだ、今後も注視しよう」

　ですな

　ですな

「結局、志望校は何処に決めたわけ？」

「実は、ひと勝負するべきか迷っている」

　ほぉ

　ほぉほぉ

「伸び代が有る奴は違う、チャレンジ精神旺盛だ」　

「学外模試の上位ランク保持者が、よく言う」

　んん？

　んんん？

「笑える話なんだけど〜♪　どこの誰情報？」

「配布物を適当に突っ込む癖は直すべきかと」

　あちゃ〜

　あちゃちゃ〜

「詰めの甘さがもろバレで恥ずかしい限りですな」　　

「計算尽くしの完璧人間でなくて喜ばしい限りで」　　　　

　ふむ

　ふむむ

「一つ、尋ねたいことがある」

「何なりと、どうぞ〜♪」

「『気になる人』というのはガチなのか？」　　

「……それを知ったところで、どうするんじゃい」

「質問に質問で返す前に答えるべきなのでは」

「次の学外模試で上回ったら教えてやってもいい」　　

「……勝負するか否か、の判断材料にする」

「他人の意見に流されたい、にも程があるわ」

「たまには羽目を外して委ねるのも良いかと」

「タイミングは今じゃないっつーの！」

「それだけ価値が有る、とも言う」

「無理なく余力を残せる方が、後々お得じゃね？」　　　

「少しでも近くに在りたいので」

「……必死な姿で隣りに立たれてもね」

「困らせない為にも底上げを図っている」

「そこまで愛されてたとは、気付かずスマンぬ〜」　　

「もだもだは困る、と言われたらやむを得ないと」

「はい？」

「もやもやしながらでは、勉強も手につかないし」

「何を……言って……」

「そろそろ答えを貰おうか」

「ガ……学校に忘れ物したから戻る！」

「は？」

「じゃ、また明日〜〜///！」

「ちょ……え……えぇ～〜///！？」