グーボ・コレボ

第3話

気がつくと、「僕」はベッドの上で寝ていた。ここはどうやら病室らしい。僕は看護師に話しかけた。

「あの……」

「あっ、気がつきましたか？」

「はい。」

「あなたは道端で倒れているところを発見されて、ここに運ばれてきたんです。」

「そうだったのか……。」

「ところで……あなたはどうして倒れていたのか、覚えていますか？」

「はい。実は、僕は生前にこの世界に来たことがありまして、その時に僕と同じような境遇の方とお会いしました。それで、彼にアドバイスをもらって、なんとか元の世界に帰ることができました。ですが、元の世界に帰った途端に意識を失ってしまいました。そして気がついたら、病室で寝ていました。多分、病院から家に帰ろうとして、途中で力尽きたのだと思います。」

「そうなんですね。それならよかったです。でも、お医者さんによると、過労が原因だそうですよ。しばらく入院して安静にしてください。あと、退院する時には、必ずお薬を飲むようにしてください。それから、ちゃんとご飯を食べてください。」

「分かりました。ありがとうございます。」

僕はベッドの上で横になった。すると、看護婦のお姉さんは僕の脈拍を調べたり、体温を測定したりした後、病室を出て行った。

（これからどうしようかな？とりあえず、この世界のことを知るためにも図書館に行ってみよう）

僕は病院から出て、病院の敷地内にある建物に向かった。建物の中に入ると、受付があって、その奥には本棚があり、本が並べられていた。

（ここならいろんな知識を得られるかもしれないな。よし！まずはこの世界の歴史について調べてみるか。えーっと、歴史書は……あっちだね。行ってみよう）

僕は歴史コーナーに向かって歩き出した。そして、歴史書のコーナーにたどり着いた。そこには、たくさんの種類の書物が置かれていた。僕はその中から適当に手に取り、開いてみた。すると、文字が浮かんできた。しかし、僕が読めるような文字ではなかった。それでも、なんとなく意味は分かった。

「うわぁ！」

僕は驚いて思わず声を出してしまった。なぜなら、僕の目の前にある本のページの中に、僕の知っている言葉があったからだ。それは、漢字だった。この世界の文字は、アルファベットみたいな形をしていたから、もしかしたらこの世界の人たちは、自分たちの使う言語の文字の形を変えないのかもしれないと思った。でも、もしそうだとしたら、なぜ漢字があるのか？という疑問が残る。まあいいや、とりあえず読んでみよう。

「西暦3015年。地球は、ザイヲという国に支配された。人々は、税金を払う者と払わない者で格差が生まれた。そして、治安が悪くなった。政府は、増税を行い人々の生活を圧迫した。しかし、人々はそれに反発し、反政府組織を作った。その組織は、ザイヲの蛮行を政府に訴えたが政府はそれを黙殺した。」

僕は、本を閉じて元の場所に戻した。やっぱり、この本にもグーボ・コレボの名前が出てきた。ということは、グーボ・コレボはこの世界に転生している可能性が高い。だとしたら、グーボ・コレボは一体どこにいるのだろう？僕には、見当もつかなかった。

それから、僕は図書館の中を探し回った。すると、ある本棚のところで、僕は一冊の本が目に留まった。それは、日本語で書かれた小説だった。僕は、それを手に取り中を開いた。どうやら、日本の小説家が書いた作品のようだ。内容は、ディストピア物の小説みたいだ。主人公は、税金を払う人と払わない人の格差が原因で治安が悪くなった世界で暮らす青年の話のようだけど、なんとなくこの物語の主人公の描写がグーボ・コレボに似ているような気がする。もし、グーボ・コレボもこの世界のどこかに転生していて、この作品を読んでいたとしたら、グーボ・コレボはどんな気持ちでこの本を読んだのだろうか。

僕は、その小説を読み進めた。主人公は、ある日突然、自分が異世界から転生してきたことを思い出す。そして、その世界で生活を始める。その世界は、現実世界と同じように文明が発達しているものの、人間以外の種族が存在していて、魔法が存在するファンタジーの世界のようであった。そして、主人公のもとには様々な人が集ってくる。その中には、主人公がかつて憧れていた存在がいた。それは、主人公の幼馴染みの少女であり、主人公を陰ながら支える女性であった。その女性は、主人公のことを誰よりも理解しており、主人公にとってかけがえのない存在であった。しかし、ある日を境に主人公は、謎の組織に命を狙われるようになる。そして、謎の組織は、主人公たちの前に現れた。謎の存在は、主人公たちに警告をした。それは、このままだとあなたたちには破滅が訪れるということだった。その後、謎の存在の正体が、かつての主人公の恋人であることが明らかになる。

そして、主人公とその恋人の間に子供が生まれた。主人公はその子に「グーボ」という名前をつけた。グーボはすくすくと成長した。しかし、グーボは成長するにつれて、少しずつ性格が変化していった。グーボには不思議な力が備わっており、人の心を読み取ることができた。そのため、グーボは人の心を見抜くことができ、それを利用して相手を騙すことが得意になった。グーボは、徐々に自分の父親に対して不信感を抱くようになり、父親の本性を知った。父親は、権力を振りかざすことで民衆を支配しようとしていた。しかし、父親が支配している地域は治安が悪くなり、民衆を苦しめるような政策ばかりを行っていた。また、そのせいで、多くの人が苦しんでいた。グーボは、この世界を変えたいと思うようになった。しかし、グーボには、自分の父親と戦う勇気がなかった。そして、グーボは自分の心に鍵をかけて、自分が持っている能力について誰にも話さないようにしていた。グーボは、正義感を持って行動するようになった。彼は様々な事件に巻き込まれながら、成長し、立派な青年に成長していく。しかし、ある日、グーボの恋人であるヒロインが何者かにさらわれてしまう。グーボはヒロインを救うため、ヒロインの救出を試みるが、結局は失敗する。グーボはその時に、自分が無力であることを思い知らされる。グーボは恋人を助けられなかったことに絶望すると同時に、自分の弱さに怒りを覚えた。グーボは強くなることを決意した。グーボはレジスタンスのリーダーとして、ザイヲの支配から人々を解放するために戦い始める。しかし、グーボの父親は、息子であるグーボのことを快く思っておらず、グーボをスパイとして利用しようとしていた。グーボは、自分の目的のためには手段を選ばない冷酷な人間になっていく。グーボは、恋人の命を奪った黒幕を探し出そうと決意する。そして、グーボは黒幕を追い詰めていくが、その時グーボは、自分の父親こそが黒幕であることを知る。グーボは、自分の父を倒すために戦うことを決意する。グーボは、父親を倒して平和を取り戻すために戦っていく。グーボは、恋人を殺した犯人を見つけ出す。そして、グーボは恋人を殺した犯人を逮捕することに成功した。しかし、その犯人はかつてクーザリュにいた元兵士だった。そのことを知ったグーボは、かつてのクーザリュの政府軍の蛮行と、今の政府軍の蛮行は違うということに気付く。グーボは、クーザリュの政府軍と和解することにした。

グーボは、クーザリュの政府軍と協力して、ザイヲ軍と戦い続けた。そして、クーザリュの人々は徐々に、昔の活気を取り戻していった。グーボ「俺はもう二度とあんな悲劇は繰り返させない！」。グーボは、恋人を殺した犯人を捕まえた。グーボは復讐を果たし、恋人と平和を取り戻したのだ！しかし、グーボはまだ知らなかった。まだ、終わっていなかったことを……。グーボは、恋人であるヒロインを救えなかったことに対して、強い後悔の念を抱いていた。グーボは、ヒロインを救うことができなかった自分自身を責めていた。グーボは、恋人の死の原因を作ったのは、自分の父親であると知った。グーボは、自分の父親を倒さなければ、平和は取り戻せないと思った。グーボは、自分の父親のいる場所に向かった。グーボは、自分の父親が、自分のことを憎んでいることを知り、自分の父の本性を知った。グーボは、自分の父が、自分の恋人を殺し、クーザリュの市民を虐殺した張本人だと知ってショックを受けた。グーボは、自分の父を倒した後、平和が訪れると思っていた。しかし、それは間違いだった。グーボは、自分の父を倒し、平和をもたらしたものの、それは一時的なものでしかなかった。やがて、再びザイヲの蛮行が始まるだろう。グーボは、自分の父と対決することになった。グーボは自分の父親と戦うことになった。グーボは、自分の父親に勝てるのか？グーボは、自分が本当に正しい道を選んだのか疑問を持つようになった。そして、グーボは、本当の敵を見失っていた。本当の敵は、自分の中にあるのではないかと思い始めていた。そして、グーボは再び葛藤し始めた。しかし、グーボは戦うことを決意した。グーボは、自分の父と戦った。そして、ついにグーボは勝利した。グーボは、自分の父親と決着をつけることができた。グーボは、自分の父に勝利した。グーボは、恋人を殺した犯人を警察に引き渡した後、クーザリュを離れた。グーボは、クーザリュの人々から英雄として称えられた。

読み終えた瞬間、僕の脳内にパアアアッっとあらゆる世界、過去現在未来の記憶が入り込んできた。そうだ、僕はグーボ・コレボで、ユーキで、この小説のグーボなんだ……。

ふっと、目の前が真っ暗になって、すぐに明るくなると、そこにいたのは久留里杏奈だった。

「戻ってきたんですね」

彼女はほっとしたような表情で話しかけた。

「私はもう大丈夫ですから」

彼女の声は震えていた。涙も流れていた。僕は何も言えなかった。何を言えばいいのか分からなかった。だからただ抱きしめることしかできなかった。