第2話

試合が終わったあと、カゼトと話をすることになった。そこで、彼はこんなことを言ってきた……。

「なるほど、だいたいわかったよ。」

俺はこの小説を読み終わった後、そう言った。

「何がわかったんですか?」

ルリさんが俺に尋ねた。

「まず、この作品の作者の名前はグーボ・コレボだ。」

「そうですわね。」

「そして、この小説に出てくる登場人物は全員、作者のグーボ・コレボ自身かその関係者だろうな。」

「そうなんですの?」

「ああ、そうだ。例えば、俺とルリさんの関係とかだ。俺とルリさんの関係は作者自身の体験に基づくものだからな。」

「なるほど……。」

と、ここで俺はまた別の作品を手に取った。そのタイトルは『アメリレイア王国』だった。

「この小説の作者は誰なんだ?作者の名前がないけど……。」

俺はこの小説の作者の名前がないことに疑問を持った。すると、ルリさんが答えた。

「これの作者はグーボ・コレボですわ」

「ということは、この作品の登場人物は全員作者のグーボ・コレボ自身かその関係者か。まあ、そうだよな。そうでなければ、登場人物の名前が作者の本名と同じなんてことにはならないだろうからな。あと、この作品はフィクションではなく、実際に起こった出来事を元に書かれている」

「そうなんですの?」

「作者が自分の体験に基づいて書いたものならそういうこともあるんじゃないのか?」

俺はルリさんと話しながら本を手に取ったままパラパラと本をめくっていた。すると、小説の中にこんな一節を見つけた。そこにはこう書かれていた。

「ザイヲ軍の蛮行を訴えていたアメリレイアのレジスタンスはある時、ザイヲ軍の制服を身につけた男が現れたことによって壊滅させられた。」

俺がその文章を読んでいると、ルリさんが言った。

「それですわ!きっと、その制服を着た男の人がグーボ・コレボなのですわ!」

「そうなのか?」

「そう考えるとしっくりくるではありませんか。それに、この本にはグーボ・コレボという名前も出てきますし……」

「なるほどなぁ。でも、その作者のグーボ・コレボはなんでザイヲ軍の制服なんか着ていたんだろうか」

俺が疑問を口にするとルリさんが答えた。

「おそらく、ザイヲ軍の関係者だったのではないでしょうか。それで、ザイヲ軍の蛮行を訴えていたのですわ。きっと、ザイヲ軍の制服を着ていれば、政府の役人も手出しはできないはずですもの。」

「確かにそうだよな。じゃあ、この小説を書いた人はグーボ・コレボってことなのか?」

「そう考えるしかありませんわね……」

ルリさんはそう言うと何かを考えるように顎に手を当てて下を向いた。しかし、すぐに顔を上げて言った。

「この本の作者は、この本の中で『自分の身を守るためにある能力を獲得した』と言っています。つまり、この本の中に書かれていることは作者の体験談だと思われます。この本の著者は、グーボ・コレボさんの幽霊なのではないでしょうか。」

俺はそれには同意しかねた。ただ、その可能性を否定する材料もなかった。俺はこう考えた。

「この小説を書いた人が、グーボ・コレボの幽霊だったとして、なぜこんな話を書いたのかはわからないけどな。まあ、俺にはどうすることもできないよ。作者に会えるわけじゃないからな。それより、今はこれからのことを話し合おう。」

俺はそう言って話題を変えた。すると、ルリさんは少し残念そうな顔をしていた。そして、気を取り直して言った。

「そうですわね。まずは、今の状況を整理しましょう。私たちは、敵の拠点を見つけ出しました。そして、敵の兵力をある程度把握しました。敵の規模は約二千人。敵のリーダーは、グーボ・コレボさんの仇敵であるイバンという男だと思われます。彼は、レジスタンスに恨みを持っているようですね。彼は、レジスタンスのメンバーを殺すことに喜びを感じているように思えます。それと、彼の仲間は皆、元はアメリレイア王国の兵士らしいです。」

「なるほど。でも、どうしてそんなことがわかるんですか?」

俺は疑問を口にした。すると、ルリさんは答えてくれた。

「私は、敵の動きをずっと監視していますから。それで、わかったんですよ。」

「へぇ〜。すごいなぁ。さすがはルリさんですね。」

俺が感心していると、ルリさんは照れた様子だった。そして、話題を変えるように、俺に質問してきた。

「ところで、あなたはこれからどうするんですか?」

「そうですねぇ。とりあえず、どこかに潜伏しようかなと思ってますけど……。」

すると、ルリさんはなぜか申し訳なさそうな顔をしていた。

「あの、実はこの近くに私の隠れ家があるんですよ。もしよかったら、そこに来ませんか?私も、あなたとお話がしたいと思っていたんですよ。」

「えっ、いいんですか?」

俺が戸惑っていると、ルリさんは言った。

「もちろんです。さあ、行きましょう!」

こうして、俺はルリさんの隠れ家に行くことになった。俺とルリさんは、森の奥へと進んでいった。しばらくすると、木々の向こう側に明かりが見えてきた。どうやら、建物があるようだ。俺たちは、その建物の中に入った。

「どうぞ、入ってください。」

そう言って、ルリさんは部屋の奥の方へ歩いて行った。そこには、木製の机があり、椅子がいくつか置いてあった。さらに奥には扉があった。ルリさんは、部屋の隅に置いてある木箱から何かを取り出した。それは、大きな袋だった。彼女は、その袋の中から食べ物や飲み物を出した。それらは、すべて缶詰に入っていた。

「ささっ、遠慮しないで食べてください!」

そう言うと、ルリさんは缶切りを使ってプルタブを開けると、中のものを食べ始めた。

「あぁ〜、おいしい!やっぱり、食事って大事ですよね。」

ルリさんは、とても幸せそうな顔をしていた。俺も食事をすることにした。俺が食べている間、ルリさんはずっとこちらを見ていた。俺は、視線を感じながら食事を終えた。すると、ルリさんは、空になった缶詰を持って部屋から出ていった。しばらく待っていると、ルリさんは缶詰を抱えて戻ってきた。彼女は、持ってきた缶詰を次々と開けて中身を取り出していった。それらは、すべて同じものだった。おそらく、配給された食料なのだろう。俺たちは、それらを食べた。そして、俺たちは眠りについた。しかし、眠ることはできなかった。なぜなら、俺たちのいる部屋の扉の前に人の気配があったからだ。その人物は、どうやら、この部屋に近づいてきていた。やがて、扉の前で足音が止まったかと思うと、ガチャっと音を立てて扉が開かれた。そこには、銃を構えた兵士の姿があった。俺は目を覚ました。俺はゆっくりと体を起こした。周りを見ると、みんなまだ眠っていた。俺は、隣にいたルリさんの肩を揺さぶった。しかし、反応はなかった。そこで、今度は、彼女の頬を強く叩いた。それでも、起きることはなかった。俺は、ルリさんに話しかけた。しかし、返事はない。俺は、さらに強く彼女を叩こうとした。その時だった。「おい!」という声とともに、何者かが俺の腕を掴んできた。俺は振り向くと、そこに立っていたのは、先ほど、銃を構えて俺たちの部屋を訪れた人物だった。俺は、彼を睨みつけた。彼は、ニヤッと笑った後、言った。

「……この小説を読んでいると、何だか胸糞が悪くなるな」

予想外の一言に呆気にとられた。

「え? そうなんですか?」

「ああ。俺には理解できない内容だったよ。そもそも、税金を払っていないのに税金を払う人と同じような生活をしているのがおかしいと思うんだよ。それに、税金を払う人と払わない人の格差が問題だって言っているけどさ、そんなもの当たり前だろう。人間なんだからさ。税金を払わない人の方が圧倒的に多いはずだ。なのに、税金を払う人と払わない人を分けて考えるのはおかしくないか? そういう意味では、俺は、こいつらの考え方は嫌いだよ。」

「確かにそうですね。でも、それは、作者の意図したことではないと思います。作者は、ただ単に、ディストピア小説を書きたかっただけでしょうね。」

と俺は言った。

「なるほど。そうかもしれないね」

と男性は納得してくれたようだ。

「ところで、この『グーボ・コレボ』というのはどういう意味だ?」

と男性が聞いた。

「これは、『グーボ・コレボ』ではなくて、正しくは、『グーボ・コレボ・イウ・キデネレリ』といいます」

と俺は言った。

「ああ、そうだったのか。俺にはさっぱりわからなかったよ。」

と言って男性は苦笑していた。

「ところで、君の名前はなんていうんだい?」

と男性が聞いた。

「僕はユーキといいます。」

と俺は言った。

「そうか。ユーキというのか。良い名前だね。ところで、ユーキはどうしてここにいるんだ?」

「実は、僕もあなたと同じで、死んだらこの世界にいました。」

と俺が言うと、男性は納得してくれたようだ。

「俺の名前はナオトという。よろしくな。」

とナオトさんが言った。

「こちらこそよろしくお願いします。ところで、僕は、今、自分がどうすればいいのかわからないんです。それで、困っています。もし、よかったら、何かアドバイスをいただけませんか?」

と俺は聞いた。

すると、ナオトさんはしばらく考え込んだ後、口を開いた。

「そうだね。まず、ユーキには、この世界に来る前に、やりたいことがあったはずだよね?それを思い出してみると良いと思うよ。」

とナオトさんは俺に言った。

俺は考えた。俺のやりたいこと……。俺のやりたいことは……、そう、俺の好きなゲームをプレイすることだ。そう、俺のやりたかったことはゲームのプレイだ。このゲームをプレイするために、俺は死んだ。ということは、俺はまたゲームの世界に来たということなのか。だとしたら、もしかしたら、俺はもう一度、あの世界に戻れるかもしれない。いや、でも、そんな都合の良い話があるわけない。だけど、もし、そうなら、俺はまだ生きられる。まだ希望はある。だったら、やってみるしかない。俺は、俺のしたいことをするだけだ。俺は、ナオトさんの目をまっすぐ見つめた。

「僕は、もう一度、元の世界に帰りたいです。」

と言った。

すると、ナオトさんは、うなずいた。

「わかった。ユーキには元の世界に戻る権利があるよ。」

と言ってくれた。ナオトさんは、俺の背中を押してくれたのだ。

「ありがとうございます!」

と俺は言った。俺は頭を下げた。俺がやりたいことってなんだろう?俺がやりたいことは……、そうだ、ゲームだ。俺の好きなゲームをプレイすることだ。だったら、ゲームをプレイするために必要なものは……。そう、ゲームをプレイするための環境だ。ゲームをプレイするためには、ゲームをプレイできる場所が必要だ。ゲームをプレイできる場所はどこにあるのか?そう、この世界にはない。だったら、ゲームができる場所に行こう!それが、俺のしたいことだった。そうか、これが俺のしたいことだったんだ。それなら、もう迷うことなんてない。すぐに出発しよう。

「よし、じゃあ行くぞ!」

と俺は言った。みんなも準備ができたようだ。さっそく出発することにした。

「あの、ちょっと待ってくれませんかね?」

と、突然声をかけられたので、振り返るとそこには、さっき会ったばかりのユーキさんのお父さんがいた。どうやら、俺たちに何か用事があるらしい。俺たちは、話を聞くことにした。

「えっと、みなさんはこれからどちらに向かわれるんですか?」

と、ユーキさんのお父さんは聞いた。俺は答えようとしたけど、それよりも早くルリさんが口を開いた。

「私たちが向かおうとしているところは、アメリレイア王国です」

と、ルリさんは言った。すると、ユーキさんのお父さんは驚いたような顔をした後、こう言った。

「アメリレイア王国ですか……。それはまた随分遠くまで行くつもりなんですね……」

と、言った。それに対して、俺も答える。

「はい。俺たちは今、国境に向かっているんです。俺たちは、ザイヲ政府の支配から脱却するために戦っているんです。そのために、この国を脱出しなければならないのです。」

と、言うと、ユーキさんのお父さんは、

「なるほど、そうでしたか。それなら、私と一緒に行きませんか?」

と言った。俺は、驚いた。

「え?あなたについて行ってもいいんですか?」

と、俺は聞いた。

「はい。私たちは特に目的地があるわけではないので、よかったら一緒に行きませんか?」

と、ユーキさんのお父さんは言った。俺はもちろん、ルリさんも喜んで承諾した。俺らは、ユーキさんのお父さんと一緒に行くことにした。

俺らが乗っている車は、国境へ向かって走り続けた。そして、国境が見えてきた。そこには、国境警備隊がいた。国境の警備をしている人たちは俺たちが乗る車を止めた。そして、車の中にいた俺たちに向かって、銃を構えた。

「おい!お前たち!止まれ!」

と、言われた。それに対して、俺は答えた。

「俺たちは、怪しい者ではありません。」

と言った。しかし、相手は信じていないようだ。そして、相手がこう聞いてきた。

「なら、どうしてこの国に来たのだ?まさか、亡命希望者ではないだろうな?もしそうなら、入国は許可できないぞ。」

と言われてしまった。どうしようか迷っていると、ルリさんが言った。

「私たちは、あなたたちを助けたいと思っています。」

すると、相手の男性は俺たちのことを信用してくれたようで、俺たちを通してくれた。そして、国境を越えたところで、俺らは車から降りた。そして、しばらく歩いていると、大きな建物が見えてきた。そこには、たくさんの人がいて、建物の中に入っていく人たちもいた。おそらく、この建物は避難所だろうと思った。そして、その建物には、俺たちも入ることができた。俺は聞いた。

「ここはどこですか?」

すると、案内役の男性が答えてくれた。

「ここは、避難場所だ。アメリレイア王国にはまだ大勢の人々が残っている。だから、ザイヲの政府はこの国の人々全員に避難するように指示を出した。ここなら安全だしな。だが、それでも、政府の命令に従わない人がいる。そういう人たちは、ここに集まっている。みんな、政府に恨みを持っている人達ばかりだよ。まあ、当然といえば当然のことだけどね。」

そう言うと、彼はどこかへ行ってしまった。ルリさんは言った。

「これからどうしましょうか?」

俺は、とりあえず、情報を集めることにした方がいいと思った。

「まずは情報収集をしてみよう。何かわかるかもしれない。」

俺らは建物から出て、町中を歩いた。そして、俺たちは、広場のようなところに出た。そこにはたくさんの人々がいた。彼らはみな、政府に対する不満を口にしていた。人々は口々に不満を言いながら、デモ行進をしていた。だが、デモは成功しなかった。デモ隊はザイヲ軍の兵士たちに取り囲まれ、逮捕されてしまったのだ。その時、デモ隊のリーダーらしき男性が叫んだ。

「私は政府のやり方にはもうついていけない!我々は、政府の横暴に抗議します!」

すると、兵士の一人が彼の頭を銃床で殴りつけた。彼はそのまま死んでしまった。それを見た周りの人達は、悲鳴を上げて逃げていった。残ったのは、数人の人たちだけだった。そのうちの一人は、デモに参加していた若い女性だった。彼女は泣きじゃくりながら、その場に座り込んでしまった。俺たちは、彼女の側に寄った。

「大丈夫ですか?」

と、俺は声をかけた。その女性は、泣いているばかりで何も答えなかった。しばらくしてから、ようやく、彼女が言葉を発した。

「助けてください……お願いします……」

とその女性は言った。

「えぇ、いいですよ。」

と俺は言って、女性に手を差し伸べた。女性は立ち上がって、俺の手を取った。そして、俺たちはその場を離れた。そして、女性の家へと向かった。俺は、彼女のことを調べてみた。すると、彼女はアメリレイア王国の王女だった。彼女は、革命で父親を失い、母親も失っていた。彼女は、母親の形見であるロケットペンダントを大切にしていた。俺はそのロケットペンダントを見た。そこには、若い頃の母親の写真が入っていた。そして、その中には手紙のようなものが入っていた。その手紙には、こう書かれていた。

「愛しい私の子供へ。この手紙を読んでくれているということは、私はもうこの世にはいないのでしょうね。あなたはとても優しい子だから、きっと私が死んでしまったことを悲しんでくれると思います。でも、そんな顔をしないでください。あなたはこれから幸せになるのですから。あなたのお母さんは、とても幸せな人生を送ることができました。愛する人と一緒になることができて、可愛い娘にも恵まれて、本当に幸せでした。もし、天国というものがあるなら、私とお父さんはそこにいるはずです。そして、天国から私たちのことを見守ってくれています。もしも、天国へ行けるようなことがあったら、私たちはそこで再会できるかもしれません。その時は、たくさんお話を聞かせてください。天国へ行く前に、もう一度会いたいですね。天国に行った後、あなたがどうしているのか知りたいけれど、知ることはできそうにないわね。天国へ行ったとしても、私はあなたのそばにいることはできないみたい。ごめんなさい。天国へ行っても、あなたとは会えないかもしれないけど、それでも、あなたを愛しているということに変わりはないわ。だから、私の分まで生きてちょうだい。そして、たくさんの思い出を作ってちょうだい。それが、今の私が願うことよ。愛しい我が子よ、どうか強く生き抜いてほしい。天国へ行けなかった母より。」

「この手紙には、お母さんの気持ちが込められていると思うんです。僕たちにとって、とても大切なメッセージだと思います。天国は、あると信じましょう。天国へ行った後に、また会えるように頑張ります!」

「天国があるかなんてわからない。でも、天国に行くことができるとしたら、俺は天国に行きたい。天国に行って、もう一度ママに会いたい!天国に行くことを目標にして、頑張っていくぞー!!」

天国はあるはずだ。天国に行くために、俺は何ができるだろう?天国に行けば、きっとみんなに会えるよね。天国に行ければ、また一緒に暮らせるはずなんだ……。

「そうか。君はあの時の少年だね?」

声の主の方を見ると、そこには一人の男性が立っていた。男性はゆっくりとこちらに向かって歩いてくる。その顔には見覚えがあった。この人は、確か……。そうだ!思い出したぞ。俺を助けてくれた人じゃないか。

「あなたは……あぁっ!!もしかして、あの時助けていただいた方ですか!?」

「おぉ、よくわかったな。私の名前は、ダビド・コレボ。よろしく頼むよ。」

やっぱり、間違いない。彼は、俺の命を救ってくれた人だ。俺は彼に何度も礼を言いたいと思っていたのだが、なかなか機会がなかったのだ。まさかこんなところで再会できるとは思わなかった。俺は嬉しくなって、つい興奮してしまった。

「ありがとうございます!このご恩は決して忘れません!あなたのおかげで、私は今も生きています!」

「そんなに大袈裟なものじゃないさ。君は今、天国にいるのか?」

「はい。今は天国の工場で働いています。」

「そうか。君はまだ天国に来たばかりなんだね」

「はい。」

「それじゃあ、まだしばらく現世に留まることになるだろうな。私も、最初は自分が死んだことになかなか気づかなかったよ。でも、時間が経つにつれてだんだんと自分が幽霊になったことを理解していったよ。そして、私はこの世界についてもっと知りたいと思った。だから、私は自分の意志でこの世界に残って、この世界のことを調べているんだよ。」

「そうなんですか。すごいですね!僕はてっきりあなたはもう死んでしまったものだと思っていました。それで、僕もこの世界で生き返ることができたらいいのにと思いました。しかし、今の僕の体には魂がない状態なので、どうすれば体を取り戻せるのか分かりません。ただ、このままだとずっと成仏できないままです。もしよろしかったら、何かアドバイスいただけないでしょうか?」

「ああ、そういうことなら任せてくれ。君の体に私の魂を入れてあげるから、そうすれば君も肉体を取り戻すことができるはずだ。」

「本当ですか?ありがとうございます!」

グーボ・コレボさんは俺の体に自分の魂を入れてくれた。すると、俺の体は光り輝き、やがて元の姿に戻った。そして、グーボ・コレボさんの幽霊は消えていった。

(これでやっと元の世界に戻れる。)

と思った時だった。突然、俺の意識は遠のいていき、視界は真っ暗になった。

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