閑話 風邪と蛍さん

閑話

今日は超平日。ゴリゴリの水曜日だ。

しかし俺は今家にいる。いや、正確に言えば蛍さんの家だが......。


「蛍さん、大丈夫?」


そう、何故俺が家にいるかと言うと蛍さんが風邪をひいてしまった。蛍さんは休まなくていいと言ってくれたが、そんなわけには行かない。


「ありがとう、優斗。」


蛍さんは大丈夫と言っていたが、おでこに手を当てると割と熱かったし、顔が真っ赤なので休ませて、俺も休むことにした。


「蛍さん、食べたいものあったら言ってくれ。買ってくるから。」


とりあえず水分を取らせるようにだけして、俺は部屋で勉強することにした。

それから二時間後......。


「ふぅ〜。そろそろ様子を見に行こうかな。」


俺は蛍さんを見に行くついでに休憩することにした。そして、共同部屋の前に立って気づいた。蛍さんが俺の名前を呼び続けていた。


「優斗〜優斗〜。」


俺は急いでドアを開けて中に入ると、ぐっすりと眠っている。恐らく寝言だったのだろう。

だが、何かあってはいけないと思い、俺は一応様子を見ることにした。


「蛍さん?」


彼女は、俺が近づくと同時にベッドの中に引きづり混んできた。


「うわっ?!」


引きづりこまれた俺は、蛍さんの抱き枕にされた。しっかりとホールドされ身動きがとれない。そしてなんと言っても蛍さんがエロい。

俺が息を吐く度に喘ぐんだもん。


「蛍さ〜ん? 起きてます〜?」


しかし蛍さんは起きる気配が無く、何故か俺もそのまま寝てしまった。

そして数時間後......。


「ん......ん?」


俺が次に目を覚ますと、蛍さんがいなかった。

俺が急いで体を起こすと、蛍さんがベッドに腰をかけて座っていた。


「あ、起こしちゃった? おはよ、優斗。」


見た感じ、調子も良さそうだ。

俺もそろそろ晩御飯の準備をしないとな......。


「じゃあ俺、晩飯作ってくる。」


......なんか俺の口の周り湿ってないか?


「ふふっ。」

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