古い洋館に可愛い双子の姉妹、本当に画が浮かぶよう

 古い西洋風のお屋敷の、とあるいわく付きの部屋にまつわる事件のお話。

 怖いお話ではないんですけど、どこかホラーにも似た不穏な空気感を感じる掌編。

 古びた洋館と、可愛らしい双子の姉妹、そしていわく付きの部屋に不可解な事件。
 とにかく伝わってくる雰囲気が強いというか、頭の中で画が浮かぶようでした。

 文章と話運びが巧みで、とにかくするする読まされちゃうのが心地よい。
 文章の、この熱量が低めでしっとりした手触りが、そのまま世界を下支えしているような感覚が大好き。

 2,000文字とコンパクトな分量ながら、あと引く強い印象を残してくれる作品でした。