語られぬ。それは雄弁に、市井を生きた人々を語る。

名作を見つけてしまいました!
広く皆様に読んでいただきたいな。

完結して久しいですが、歴史の海ならぬ、「カクヨムの海」に埋もれていくのは、あまりにもったいない物語です。

前後、二話完結で、歴史の、料理にちなんだ、主に有名人の名場面でなく、その裏で、あったのではないか? と思える日常の一コマを切り取ります。

いろんな、家族があります。

いろんな、人生が、あります。

ここにあるのは、人生です。

毎話、読むのが苦しくなるほど、人生が詰まっています。
歴史の荒波。戦争や天災などは、歴史のなかで、多くの人を大波でかっさらっていったからです。
大切な人を失い、喪失を胸にかかえ、帰ってこない人をしのびながら、それでも。

人生は続く。

人は回顧する。

あの人がいた、幸せな一時を。

あの人と食卓を囲んだ、もしくは、一緒に料理をつくった、その時を。

ああもう、心が一杯です。

どの話もクオリティが高く、それが毎話続く。驚嘆です。
料理の意外なトリビアもあって、面白いですよ。

おすすめです。
ぜひ、ご一読を!

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