新米パイロットであるユモ一等兵の不安、焦燥を通じて描かれる空の世界。その緻密な描写は処女作とは思えぬほど詩的で美しく表現され、読者の皆さんもキャノピーの向こうに拡がる無慈悲で冷厳な青と白の世界へと引き込まれることでしょう。そして彼女の周囲からはレシプロ機が生み出す振動に加え、自らの技量と度胸が試される中どこからかオイルの匂いが鼻についてくる感覚すら覚えましたね。私、この小説に登場する急降下爆撃機のファンアートを送った者ですが、文面から白とグレーの冬季迷彩を施した逆ガルウィング、固定脚のあの機体が翻るのを想像しておりました。
今後の活躍を期待しております。
最新話まで読ませて頂きました!
レシプロ機の描写が驚くほど綿密に描かれていて、細かな所まで一生懸命勉強されたんだなぁと思いました!!
航空機の複雑な操縦や機器の操作を、挫けそうになりながらも頑張ってこなす主人公がとても可愛らしく、そしてカッコよく描かれていると感じました!
私は今まで航空機のミリタリーものと言ったら、凄腕のエースパイロットが主人公の作品しか見て来なかったので、まだまだ新米で未熟なぽんこつパイロットが主人公のこの作品はとても新鮮に感じました。
そして航空機をきちんと操作することがいかに困難なことなのか、この作品を通して少しだけ分かった気がしました。
素晴らしい作品をありがとうございます!!これからも頑張って下さい!!
第一話を読むと、タイトルどおりに青と白の世界が目の前に広がるような錯覚を覚える筆力と、生き生きとした等身大の登場人物たちに驚かされます。
どこまでも美しい言葉が綾なすのは、本来ならばパイロットだけが許された白い波濤と紺碧の世界。そこに浸れると言う贅沢。その中を一条の飛行機雲を曳きながら主人公機が翔けていく。主人公は、戦場には不釣り合いな愛らしいお嬢さん。
ベテランでも、エースでもない新米パイロットが編隊に一生懸命ついて行こうとする奮闘は、まだ幼い渡り鳥のようでとても愛らしい。
そんな主人公を支える、不器用ながらも一生懸命な小隊長、頼り甲斐のある元教官、豪快ながらも優しさを秘めた大隊長。そしてまだ見ぬ部隊員たち。
日常に居てもおかしくない人間味溢れる彼らが飛び込むのは、非日常の極致である戦場と言う世界。そこで繰り広げられるドラマから目が離せない。
冬の訪れに身を震わせる地上から曇天を見上げ、雲の切れ目から主人公機が見えたなら、思わず手を振って応援したくなる。そんな作品です。
青の中、白の上。
天気晴朗、空を飛ぶ。
ただし彼女は悪戦苦闘。
真っ直ぐ飛ばない(泣)。
はらへった(泣)。
皆さん何をなさって……あ――っ(焦)!!
編隊随一、ひよっこ飛行士。
皆に構われ見守られ。
心温め温められて。
赴く先は――初陣の空。
ゆえに。
この門をくぐる者、
この色を眼に刻む者、
一切の希望を捨てよ。
一切の楽観を棄てよ。
耳に轟、肌に震、心に怯、眼には獄。
青の下、白の底。黒の漂うその狭間。
血の赤、火の赤、業の赤。
弾け、抉って還す先。
還りたくば心にすがれ。
帰りたくば眼を開け。
ここは血と火と業の池。
眼を逸らし、眼を閉じて、逃げた者から囚わるる。
ここは地獄。赤の底。
視ずして帰る、ことは叶わじ。
塵と還りたくば心にすがれ。
生きて帰りたくば眼を開け。
第一話の時点でかなり良さげだったのでレビュー書きます(宣言)。
描写が丁寧で細かくて、くどくない。これが本当に素晴らしいんです。専門用語が並んでいて一見難解に見えますが、理解は出来なくても想像が出来るのでかなり考えられて書いてあることが伝わります。
何より、空ですよ。
飛行機に乗った時に見れる空の美しさってこんな感じなんだろうなってのが、少なくとも自分には伝わりました。もうこの時点で理想的過ぎる導入だと思います。
そんな空の青さが素晴らしい第一話に心惹かれて、でレビューさせて頂きました。オススメです。今のうちにツバをつけておきましょう。