エンジン音とコクピットの油臭さまで感じさせる空戦記を一読あれ。

新米パイロットであるユモ一等兵の不安、焦燥を通じて描かれる空の世界。その緻密な描写は処女作とは思えぬほど詩的で美しく表現され、読者の皆さんもキャノピーの向こうに拡がる無慈悲で冷厳な青と白の世界へと引き込まれることでしょう。そして彼女の周囲からはレシプロ機が生み出す振動に加え、自らの技量と度胸が試される中どこからかオイルの匂いが鼻についてくる感覚すら覚えましたね。私、この小説に登場する急降下爆撃機のファンアートを送った者ですが、文面から白とグレーの冬季迷彩を施した逆ガルウィング、固定脚のあの機体が翻るのを想像しておりました。
今後の活躍を期待しております。

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