第14話 元勇者のロリコン疑惑
俺は、元勇者だ。異世界で魔王イリスティラを倒して帰ってきたら、倒したはずの魔王が幼女の姿で俺の家にいるとか何の冗談かと思ったが、俺は魔王の可愛さに負け、結局は俺が魔王の世話をする事になった。
異世界で活躍した俺の能力は、スキルやら加護やらが一杯あったが、こちらの世界に戻ってきたら全てを失っていた。
俺が異世界で持っていたチートな能力は、あの異世界特有の能力だったらしい。
まぁ……チートが無くなったとして、こっちの世界で困る事は無いので、問題は無い。
しかし、魔王イリスティラが見せたあの魔法。俺と魔王の結婚の儀式と言っていたが、あれは確かに魔法だった。
こっちの世界でも魔法は使えるのかもしれないが、こっちでは媒介として魔法陣が必要らしい。魔王イリスティラは魔法陣を描いて見せたが、俺はスキル任せだった為、からっきし魔法陣が描けない。
加護やスキルが使えなくなっただけで、俺の基礎ステータスは、自分で鍛えたので一般人よりは高いと思っているが、魔方陣が使えないので今の俺には魔法が使えない。
魔方陣の勉強……しとくべきだったかなぁ。
俺は、大学からの帰り道そんな事を考えながら、家路についていた。
今日はバイトの予定はなく、花梨ちゃんは実家に用があるとかで今日は一人で帰って来たのだが……。
家に帰ってきたら、魔王が二人に増えていた。
「ただいまぁ……ん?」
「は!あなたは!悪のそしきのものですね?」
「は?」
「このよの悪はゆるさない!この魔王少女あいなが成敗するわ!」
「おい……イリス?この子は誰だ?」
「我の友達で弟子のあいなじゃ!」
アイナという魔王のコスプレをした女の子が魔法少女の玩具で、俺の腰のあたりを叩いてくるが、全く痛くは無い。
「あいなよ、心配するでない。この者は我の旦那様じゃ♡」
「ええ?だんなさま?魔王様の?ほえええ!!ごめんなさい!ごめんなさいです!」
魔王喫茶の制服なんて持ち出して、何を遊んでいるのか……全く。
「大丈夫だ。イリスとお友達になってくれてありがとうな?アイナちゃん」
俺は、アイナちゃんの頭を優しく撫でてやった。
どうやら、魔王喫茶の制服で魔法少女ごっこをして遊んでいたようだ。
イリスには、友達がいなくて心配していたけど、こっちの世界でも良い友達が出来たようで安心したな。
「えへへ……あの……お兄さんは、ロリコンですか?」
「はぁ!?え?いや、ロリコン……では無いが?どうして?」
ああ、ビックリした!アイナちゃんからロリコンなんて言葉が出るとは……。確かに今のイリスは幼女の姿をしているからなぁ……。ロリコンに見られても仕方が無いのか?
「ママが、ロリコンには気をつけなさいって!」
「そういう事か、イリスとは縁があってな。うちで面倒を見る事になったんだ」
「ああ、良かったぁ。魔王様のお兄さんだから……じゃあ、お兄様って呼ぶね?」
「ああ……よろしくな?」
アイナちゃんは、さっきからずっと俺の腰に抱きついているので、俺はアイナちゃんの頭から手が離せなかった。
俺がずっとアイナちゃんの頭を撫でていると、アイナちゃんは気持ち良さそうに目を細めていた。
「むぅ……我も撫でるのじゃ!」
俺はイリスにアイナちゃんごとベッドに倒されてしまい、アイナちゃんの顔は俺の股に、イリスの顔は俺の顔に被さり、いきなりキスをしてきたんだ。
「んん……ちょっと……んん……」
すると、玄関のドアが開く音がして……花梨ちゃんが帰って来た。
「ただいま!…………え!?」
「ん……んん♡……んん♡」
「ちょっと!何してんのよ!?」
「ええ!?違う!ちがうんだぁああああああ!!」
……それから、花梨ちゃんにはロリコン疑惑を追求されるし……説明しても、なかなか信じてもらえなかったんだよ……。
読者様へ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
レビュー☆☆☆にコメント、応援♡を頂けたらとても嬉しいです。
こちらは暇な時にゆっくり投稿予定です。 まったり進みます。
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