第13話 魔王少女あいな


 我が朝起きると、レイモンドの腕の中じゃった。レイモンドは、我の事を抱き枕のように抱きしめて寝ているのじゃ♡


 これは、カリンより我の方が愛されている証拠なのじゃ♡


 腕枕では無いのが、ちょっと残念じゃが……我の今の体では、仕方が無いのじゃ。


 カリンはいつも早く起きて、朝ご飯の支度とお弁当を作ってくれるのじゃ。


 今日も大学とやらがあるらしいのじゃが、カリンは我の分のお弁当まで作ってくれるのじゃ。よく気がきく妾じゃ。これなら、魔王城の料理長に任命してやっても良いかもしれんのじや。


 ん?何か暑いと思ったら……レイモンドは寝汗をかいておるではないか?


 我はレイモンドの服を捲り上げると、寝汗をなめ取ってやったのじゃ。


「しょっぱいのじゃ……」


 上半身はこれで良いのじゃ。次は下半身じゃ♡


 我はレイモンドのズボンとパンツを脱がそうとすると……何かに引っかかって脱がせられないのじゃ……。


 どうやらレイモンドは、つっかえ棒のようなものを仕込んでおるようじゃ……これが我を阻んでおるのじゃ。うぬぬ……負けないのじゃ!


 ふぅ……なんとか取れたのじゃ。つっかえ棒ではなくて、レイモンドのアレであったようじゃ……。か、下半身の汗も……舐めて……やるのじゃ♡


 夜に相手は出来ぬが……これなら……。


「朝ごはん出来たわよ!レモン!イリスちゃん?」


 むぅ……これからが良い所じゃったのに、カリンに呼ばれてしまったのじゃ……。


「んあ?え?何してるんだ?イリス?」


「うむ、レモンの汗を拭いておったのじゃ♡」


 こっちも、しょっぱいのじゃ。


「そっか、ありがとうな?でもな?それは、握っちゃだめだぞ?」


「むぅ……我の朝ご飯なのじゃ……」


 ここは、レイモンドの魔力が溜まっておるのじゃ……我が定期的に出してやらんと魔力の溜めすぎで病気になるのじゃ。


「だから、そんな可愛い顔してもだめだぞ?」


「何してるの?イリスちゃん?」


「妻としての営みじゃ♡」


「イリスちゃんには、まだそう言うのは、早いからね?ほら!ごはん食べちゃって?」


 妾のくせに、我はカリンにひっぺがされてしまったのじゃ……。


「むぅ……」


 溜めすぎると魔力の暴走で、ろくな事にならんのじゃが……。


「お?今日は、スクランブルエッグか?ふわふわで……美味!」


 うむ……カリンの作った朝ご飯は美味いのじゃ♡


「御馳走様!イリス?今日も大学行ってくるな?イリスは今日はバイトか?」


 今日は、我の弟子あいなとの約束があるのじゃ。


「それも、あるのじゃ」

 

 あいなは、魔法使いの才能があったし、我の友達でもあったのじゃ。じゃから、弟子にしてやったのじゃ。


「そうか?あまり遠くに行くなよ?それから、出かける時は鍵かけてな?」


「心配無用じゃ」


「心配だから言ってるんだからな?」


 レモンは心配性なのじゃ……。


 あいなとの約束は放課後になるので、それまではバイトに行くのじゃ。



◇◇

 


 今日はバイトを早めに切り上げて、約束していたあいなと一緒に家に帰るのじゃ。


「かわいいよね?そのお店の服?」


「そうじゃろう?我も気に入っておるのじゃ」


 あいなは良く分かっておるのじゃ。

この魔王の衣装。なかなかのものじゃ。


 今日は、あいなに魔法を教える約束をしていたのじゃ。


 あいなを連れて家に帰ると、誰もいないのじゃ……。レモンとカリンは、大学じゃったな。未だに学校に通っているなど、レモンも子供じゃの。


「うわぁ、ここが魔王様のおうち?とっても広く……ないねぇ」


「ここは、仮の住まいなのじゃ……本当はお城に住んでおったのじゃ……」


「かりずまい?カッコいい!」


「ふふふ……そうじゃろう?」


 ここに3人で住んでいるなど言えんのじゃ。


「さて、あいなよ……あいなには、これを授けるのじゃ」


 この前ゴミ捨て場で拾った魔法少女とやらの杖なのじゃが、我が改造してあいな仕様にしたのじゃ。


 所持しているだけで、自己防御、身体強化の効果をつけたのじゃ。


「これは、魔法少女○○ちゃんの杖?ありがとう!魔王様!」


「うむ、普段はロックをかけておるので、このロックを外して変身と言ってみるのじゃ……」


「ロックを外して変身?」


「そうじゃ」


 あいなはそう言うと、我と同じ格好の魔王少女に変身したのじゃ。


「うわ!すごい!わたし、変身してる?」


「魔王少女に変身すると、魔法が使えるようになるのじゃ」


 家の中で魔法を使うと危険じゃから、我は使い方だけをあいなに説明したのじゃ。


 まぁ、安全の為出力は抑えてあるので大丈夫じゃろう。


 水は水道程度、火はマッチ程度、雷はスタンガン程度じゃ。


 後は、必殺技じゃが……かなり危ないので強敵が現れるまでは封印じゃ。


「魔王様!これで、わたしも魔法少女なのね?」


「魔王少女じゃ……間違えるでない」


 こうして、魔王少女あいなが誕生したのじゃ!








読者様へ


ここまでお読みいただきありがとうございます。

レビュー☆☆☆にコメント、応援♡を頂けたらとても嬉しいです。


こちらは暇な時にゆっくり投稿予定です。 まったり進みます。

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