あまりにも壮絶で凶悪なイノセンス

 地獄のような家庭環境に生まれた、顔の良い少年のお話。

 壮絶かつ凶悪な現代もののドラマです。何が壮絶ってもう主人公の生い立ちが……。
 およそ生き地獄と呼ぶにふさわしい家庭環境から、救われる……といってはニュアンスが違うのですけれど、とにかく人間らしい生活を取り戻す物語。

 男と男の関係性、というか、男から男への憧憬・情愛・執着のようなものが描かれており、そういうのが好きな方には自信を持ってお勧めできる作品です。たまらんやつでした。

 好きなのは主人公の顔が良いところ。
 もっというなら、その「顔の良さ」の使われ方であったり、主人公の自覚の仕方であったり。

 この「顔が良い」という要素が、単純にキャラの魅力づけとしてではなく、人物の根幹そのものを成していること。
 これが読んでいてもう本当に心地よくって大好き。
 こればっかりは説明が難しいというか、ぜひ作品本編で味わってみて欲しいです。

 ハードでアウトローな地獄の中に、言葉にできない情動が山ほど詰まった作品でした。

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