2024/5/18

 皆さんのプライベート生活は充実しているだろうか。


 私のはボロボロである。見る影も形もまったくない状態だ。


 高校生のときに半分の時間をコロナに喰われ、残り半分を受験に捧げてしまったので、「青春」とやらを経験できずに大学生になった。

 やっと大学生になれたと思ったら、あのいまいましい戦争のせいで人と接するのが完全に怖くなってしまい、せっかくクラスメイトに遊びに誘われたのに笑顔で適当に誤魔化して逃げるということを十回くらいはやってしまった。今でも「どこのハーフ?」と聞かれるとヒィッと叫んで逃げたくなる気持ちはある。


 とはいえ一年たってやっと大学生活になれてきたので、やっと誰かと仲良くしようという気持ちになれたが……今度は友達を作る機会を完全に失ってしまったというわけだ。

 もうみんなグループを作っていて、私には入る隙間もない。よっ友(授業一緒だったら話すけど、一緒じゃなかったらそれっきり、みたいな友人)ならたくさんいるが、それ以上の関係に進む気配はしない。それに今季は五限(19時までの授業)ばかりで誰かと親しくする時間もない(奨学金が欲しいので授業は絶対にサボりたくないのだ)。これでどうやって誰かと仲良くしろというのだろうか。


 そもそも私は比較的遠い地域に住んでいる。たとえ遊ぼうといわれても、一時間もかけて友達との待ち合わせ場所にはいきたくないというのが本音だ。趣味も全部ひとりでできてしまうものばかりである(小説書き、動画編集など……)。それに遊びはお金もかかる。超貧乏な私にはなにもできることがない。


 それで私は地元の友達にすがりついたのだが、そこでも問題が起きた。学歴のことだ。

 私の地元の友人たちに勉強派の人はおらず、ほとんどが芸術系だ。昔はそれでまったく問題がなかったのだが、私が地元から見て比較的高い大学に入学したせいでみんな私を怖がるようになってしまった。

 夏祭りのときに小学生のころから「頭がいい」と言われていた女の子と普通に話題があってしまったせいなのかもしれないが、私にもそのレッテルが貼られ、地元の輪から放り出されてしまった。

 まったくひどいものだ。


 私は小中学校で、ずっと馬鹿にされてきたから勉強を頑張ってきた。なぜここで嫌われなければならない? これで対等になれたはずじゃなかったのか? なんのために私は努力してきたのだ?


 というわけで今でも遊びに行く地元の友達は一人だけになってしまった。彼女は私と同じヨーロッパ系ハーフなので、とても馬が合うのだ。とはいえこの子は今年の夏に自分のもう一つの母国へ行ってしまうので、私は一人になってしまう。

 そういえば大学で一番仲いい子もヨーロッパ系ハーフだ。もしかしたらハーフは本当にハーフとしか友達になれないのかもしれない。


 あの戦争がなければ私には今頃友達がいたのだろうか。それとも私はやっぱりもともとまともに人と話せない性格なのだろうか。


 私にはわからない。




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