八〇式対艦誘導弾改
度重なる東側の対艦ミサイル攻撃を受け、その威力を認めた日本が開発した国産ミサイル。
当初は敵艦隊の近距離から発射する構想でありロケットモーターのみの射程50キロの八〇式対艦誘導弾が開発された。
これは特に短いわけではない。
当時の認識では、ミサイルも水上艦のレーダー索敵範囲内数十キロ以内で発射するべきと考えられていた。
ミサイルの技術が未熟、長射程に出来るだけの推進方式がない、遠距離航法技術が未熟で数百キロを飛翔できない、遠距離での目標探知誘導が出来ない、などの理由により百キロ以下のミサイルが多い。
そして、性能自体も良かった。
発射試験では模擬標的に対して一五発発射予定だったが、命中弾続出で標的が破損したため、三発が残ってしまった。
実艦試験でも四発発射予定だったが標的艦に初弾命中。
そのまま沈没させたため、三発残して終了という好成績を出し、誘導性能が優秀であることが確認され、配備された。
だが、ある政府参与の一言により、母機となる航空機の安全を確保するため、対空火器の射程外からのアウトレンジが出来るよう改造がなされ、誘導も行えるようシステム構築がなされることになった。
「余計な一言で犠牲になった若者が犠牲になったが今度は失敗しない」とつぶやいたと関係者の証言がある。
かくして、ターボファンエンジンへ改装した改造型が完成した。
注目するべきは射程の長射程化だけでなく、母機が目標を捕らえていなくても、他の部隊の発見報告を元に近隣海域へ誘導し、設定海域で自律制御で目標を探知するシステムである。
これにより攻撃機は、自らは目標を捕らえていなくても、上級司令部からの指示に従って射程外から攻撃することが可能になった。
また長射程化は、攻撃可能な部隊を増やし、陸上からの攻撃も可能となった。
そのため、敵上陸部隊への攻撃用に陸上発射型が陸上自衛隊から提案された。
海空自衛隊は、それぞれの負担が減る、海自は敵揚陸部隊ではなく、水上部隊の攻撃に専念でき、空自も何かと支援対象が多いため、陸自が担当してくれるならと協力。
システム構築にも協力し、実現した。
ミサイルの改善は進み、後に八八式、九〇式など発展型が作られる。
諸元
ミサイル直径 350 mm
ミサイル全長 3,980 mm
ミサイル全幅 1,190 mm
ミサイル重量 600 kg
弾頭 弾頭重量:150kg
射程 推定150キロメートル
推進方式 ロケットモーター(初期加速用ブースター)+ターボファンエンジン
誘導方式
中途航程:慣性誘導
終末航程:ARH誘導
飛翔速度 亜音速
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https://kakuyomu.jp/works/16816927862106283813/episodes/16818093089822447079
旭日旗の元に コラム 葉山 宗次郎 @hayamasoujirou
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