後半

 後半です。

 さくさく参りましょう。


 *


・第六回お題【焼き鳥が登場する物語】

 作品名『君と通ったあの店で』 https://kakuyomu.jp/works/16816927861686535267/episodes/16816927861688029839

 テーマは「言えなかった気持ち」。

 わりとちゃんと考えて作った作品。今回のオチは「オチがないと不安になる病」の発症ではなく、最初からオトすつもりで書いたし、一応ラストへの伏線らしきものも張っていたりする。涙のくだりとか。需要はきっとないだろうけど、自分なりの「オチ論」みたいなものを、そのうち創作論として作成してみたいと思う。

 余談だが、実は店主側も主人公に対して「値上げしたんだ」と言えないまま最後に至ったという裏設定も一応あったりする。まあそこに関しては、深く掘り下げるつもりもなかったのでどうでもいいのだが。

 さらに余談だが、私が大学生だった時分、最寄り駅のそばに小さな焼き鳥屋があり、そこでの実体験をもとにして書いた作品。そんなお店を知っているということはそんなお店で飲んでいたという話なのだが、それがどんな人と行っていたのかは秘密。恥ずかしいからというよりはいずれ小説のネタに使うから。

 読んでくれている人にだけ解るように言うと、『きみのこえがきこえる』に出てくるナナコさんのモデルです。


・第七回お題【出会いと別れ】

 作品名『続・私の中の黒い悪魔』https://kakuyomu.jp/works/16816927861728618245/episodes/16816927861733126175

 テーマは「自己愛」。

一年前に書いたどうでもいい創作論を、まさかの続編として登場させる謎采配。どうでもいい自己中心的な話題に加え手抜きのような構成ということで、周囲からの評価は厳しいものになった。当然まさにしかるべしである。


 ――ところが。


 「創作論」という競合の少ないジャンルで投稿したために、実はになるという、まさかまさかの展開を迎えることに。通知を見て腰を抜かした。

 さすがに恥ずかしいので宣伝もせずにいたのだが、いつまでもこの作品が上位にいるのはよろしくないと思いジャンル変更を考える。しかし、締め切り後のジャンル変更がKACの規定に沿う行為かどうか判断がつかず断念。

 「ならばいっそ他人の作品を上げてしまえ」というコペルニクス的発想の転換により同ランキングの他作品に☆を配りに行くも、短期間での過剰な☆配布行為はアカウント停止になりかねないと知りこれも断念。結局、一週間ほど創作論ランキングで恥をさらすという羞恥プレイを強いられることとなった。現在のランキングは知らない。

 とはいえ個人的には「オチに逃げる行為をなんとかせねば」と常日頃思っていたので、踏ん切りをつけるには良かったという、色々と思うところのある作品。


・第八回お題【私だけのヒーロー】

 作品名『ゲーム『LIVE A LIVE』にみるヒーロー観【想い出話】』

https://kakuyomu.jp/works/16816927861804895197/episodes/16816927861805344778

 テーマは「ゲーム愛」。

 そもそも私のエッセイである『日々のまにまに』のネタとして下書きしていたものをほぼそのまま流用した、おそらく今回のKAC参加作品の中でもっとも手抜きをした作品。

 なぜそんなことをしたのかというと、時間が無かったから――ではなく、当初は、


「オダちゃんはいじめられっ子で、いつもクラスメイトのタケダ君にひどいことをされていた。しかしそのたび、クラス委員のウエスギ君が助けてくれていた。オダちゃんはウエスギ君をヒーローと思い好意を寄せることになるけれど、ある日それがウエスギ君自身によって仕組まれていたことだと知る。もういやだと訴えるタケダ君に対し、逆にもっと虐めるように強要するオダちゃん。自分が虐められている限り、ウエスギ君は私だけのヒーローだから――」


などという、後味の悪い作品を構想していたためである。

 多少名前で遊ぶことでライトな感じにしようとしたけれど、テーマがカクヨムのユーザー層に合わないであろう点と、何よりも受け取りようによっては虐めを助長するような内容だったので書くことを断念した。

 真面目に虐めは犯罪です。じゃなくてです。


・第九回お題【猫の手を借りた結果】

 作品名『朝日は肉球のかたち』

https://kakuyomu.jp/works/16816927861851704183/episodes/16816927861879136479

 テーマは「愛猫」。

 一部脚色や変更は加えているけれど、ほぼ実話。ちなみに愛猫の本名はキューくん。ご尊顔は以下の近況ノートにてどうぞ。

https://kakuyomu.jp/users/sasatake-hajime/news/16816700425969444069

 本当は猫にキーボードの上を歩かせて、「これが猫の手を借りた結果だ!」と言いたかったのだけれど、なぜかこういう時に限ってデスクに乗ろうとしない愛猫ども。おかげで自分で作る羽目になった。まったくままならないものである。でもそこが果てしなく可愛い。

 ところで、煮詰まった猫好き飼い主の間では、早朝に猫に起こされることを無上の幸福とするらしい。しかし私はまだその域まで達していないので、そんなことをされてもただ眠いだけである。どうせなら、すでにその域に達した妻を起こしてほしいのだが。

 ともあれ、猫というのは相当なキラーコンテンツであるらしく、☆率、♡率ともに私の作品の中では群を抜いている。

 なお私はリアルに猫を飼っている立場なので、今回のお題には困らなかったけれど、これはこれで阿鼻叫喚を巻き起こしたお題だった様子。まあ確かに、「猫の手を借りた」というのが嫌らしいとは思う。

 今回のKAC参戦作品の中で、一番タイトルが気に入っている作品でもある。毎度こんな感じのタイトルが付けられればいいのだけれど。


・第十回お題【真夜中】

 作品名『真夜中の向こう』

https://kakuyomu.jp/works/16816927861952679639/episodes/16816927861952696247

 テーマは『遠距離恋愛』。

 本当は『スガシカオ愛』をテーマにして、彼の楽曲名をふんだんに使った作品を投稿したかった。一例をあげるだけでも『夜空ノムコウ』『夜明け前』『真夜中の貨物列車』『真夜中の虹』等々、使えそうなものがたくさんある。

 そうできなかった理由はもちろん時間がなかったため。

 おかげでオチも弱ければ構成も適当という、我ながらなかなかの凡作が生まれた。しかし凡作は凡作なりに「雑学を入れるとまだマシになる」という、小手先の技術でなんとか誤魔化す。成功したかどうかは不明。

 ちなみに真夜中の虹は本当に存在するもので、主にハワイなどで見られるもの。画像検索すると鮮やかな夜の虹が出るが、実は光の弱い月光でできる関係で、肉眼で見ると白っぽく見えるそうな。ゆえに白虹とも呼ばれるらしい。現地では「幸運の兆候」や「願いが叶う前兆」として、ありがたがられているというのも本当。

 今作のタイトルはもちろん『夜空ノムコウ』から。


・第十一回お題【日記】

 作品名『『明日への日記』というタイトルの作品を書こうとして全データを飛ばした愚か者の日記』

https://kakuyomu.jp/works/16816927861992422549/episodes/16816927862035000481

 テーマは「未来に続く愛」――の予定でした。

 まあ、内容はタイトルの通りなので読まなくても解ると思われる。

 再び長文タイトルとなったこの作品。そうした理由は特にない。ただ思いつかなかっただけ。そして長文タイトルのご多分に漏れず、PVが伸びた。実際、他のKAC参加作品に比べて二倍くらい多い。

 ただこれは長文タイトルだからというだけではなく、みんな「やっと終わったから他の奴の作品でも読んでみるか」という心理も働いた結果のような気もするので、一概には言えない。けれど、だからこそ長文タイトルが選ばれやすかった可能性もある。なんとも言えない。

 ちなみに『明日への日記』というタイトル。本来は『未来日記』にしようと思ったのだけれど、最近の方々は『未来日記』というと『ウッチャンナンチャンの気分は上々』でやっていた恋愛バラエティではなく、同名のアニメを想像すると知り、ジェネレーションギャップに懊悩おうのうした。そっか、もう二十年以上前なんか、あれ――。

 目論見すべてをぶち壊した作品が一番PVが多い、長文タイトルである、ジェネレーションギャップに気付かされる――などなど、なんだか最後の最後に私のアイデンティティを根こそぎ破壊されたような気分だった。


 *


 今回の振り返りは以上になります。

 もっとも手応えのあったものがよりにもよって「やらかした結果とりあえず綴ったどうでもいい日記」という始末。これでは本来の目的(手応えのいいものを研磨ブラッシュアップして再利用リサイクルすること)も果たせそうになく、ゆえに次回は多分もう参加しません。トリタオル並みに魅力的な商品があれば話は別ですが、そうでなければ失ったものが大きすぎるので。数百リワード程度じゃ割に合いません。

 せめてもの癒しに、トリタオルに包まれる夢を見ながら。


 ではまた。

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【超個人的】KAC2022参加作品を振り返る【反省】 ささたけ はじめ @sasatake-hajime

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