ゲーム『LIVE A LIVE』にみるヒーロー観【想い出話】
ささたけ はじめ
「あの世で俺にわび続けろ」で有名なアレ
KACもいよいよ終盤に入り、阿鼻叫喚の声があちこちから聞こえてきますが皆さま、いかがお過ごしでしょうか。私は順調に苦しんでおります。
おはようございます。ささたけです。
KACに参加して色々書いていたら、色々と考えすぎるようになってしまい、どんどん後味の悪いダークな作品(およびオチ)ばかりを考えるようになってしまいました。
これではいかんと思い、自分のスタイルを見つめなおすため、気分転換をかねて自分が昨年から書いている長編(未発表作)を読み返してみたら、「なんでこんなに面白い話の続きを書かないんだ? 作者は馬鹿じゃないのか?」とか考えるようになっていました。馬鹿を馬鹿にする大馬鹿者状態ですね。末期です。
それはともかく。
このような精神状態では書くものも書き続けられないので、今回はエッセイでサボりもとい小休止をさせていただこうと思います。本当は『日々のまにまに』のほうで使おうと思ってたネタなんですけど。
さて、お題が「私だけのヒーロー」とのことなのですが。
これをみて真っ先に私が思いついたのは、『LIVE A LIVE』(最後のLIVEは反転しEVILとなっている)というスーパーファミコンのゲームでした。
当時、『ファイナルファンタジーⅥ』や『クロノトリガー』という超名作に挟まれ、いまひとつ目立たなかったこのゲームなのですが、少年の頃の私は一番好きなゲームでした。好きすぎて、当時はROMを3本持っていました。
なぜそんなに持っていたのかというと。
まずこのゲームは、8つのオムニバスストーリーとラストの最終編からなる、都合9つのシナリオが用意されています。そしてその最終編では、8つのストーリーの主人公のうちの、誰かひとりを選択してプレイすることになるのです。そして当然、主人公によってエンディング(正確にはエンディングの手前)が異なります。
対して、ゲームソフトのセーブスロットは4つしかありません。
これでは見たいときに見たい主人公のラストが見れない。思い悩んだささたけ少年は、そのすべてを記録するため、都合3本購入したというわけです。そのため私は『FF6』も『クロノトリガー』も持ってません。友人に借りてプレイはしましたけど。
なお、賢い方ならば、
(妙だな――8人の主人公ならば、セーブスロットは8つで足りる。つまりROMはふたつで足りるのでは――?)
と思われたかもしれません。
ですがこのゲーム、あるシナリオでは主人公が3人のうちからひとりを選ぶ必要が出てくるため、都合10通りの選択となるのです。そのためにROMが3つ必要だったのですね。
話が逸れましたが、この『LIVE A LIVE』がどうして「私だけのヒーロー」に繋がるのかというと。
作中に王道の「魔王にさらわれたお姫様を勇者が助けに行く」というシーンがあるのです。それはそれはもう、様々な苦難を乗り越えて主人公は姫を助けに向かうのです。はたから見てると主人公はまさしく、姫にとって「私だけのヒーロー」なんですよ。だからそれを操作する我々も、ヒーロー気分で颯爽と助けに行こうとするわけじゃないですか。
ところが。
最終的にこの姫様を救うのは、主人公の彼ではないんです。
詳しくはネタバレになるので言えませんが、彼女は主人公以外の人物に救われて、主人公を裏切ることになるのです。それは当時、物議をかもすほど衝撃的なラストで、今まで主人公に感情移入してプレイしてた我々プレーヤーも、姫に裏切られたような気分になるんですよ。
ヒーローとは「
当時、容姿が良いわけでもなければ何か面白い話ができるわけでもなく、小説や漫画を読みながらくすぶっていたささたけ少年の心に、これはいたく突き刺さりました。
そうしてひがむことをやめ、周囲を気にせず生きるようになった結果、高校生になって初めての彼女ができました。もっとも、私が彼女にとっての「私だけのヒーロー」になれたかどうかに関しては、今ひとつ自信がありませんが。
それはともかく。
他方、ヒーローになりそびれた主人公がどうなるのかというと――そこは是非、ご自分でプレイして確かめてみてください。
偶然にも、二十数年の時を経て今年7月にニンテンドースイッチにて『HD2Dリメイク LIVE A LIVE』の発売が決定しましたので。もちろん私も買いますよ。
そんなわけで。
今回のお題「私だけのヒーロー」は以上となります。
次回からはまた何かしらの小説を書くと思いますので、よろしければお付き合いくださいませ。
ではまた。
*
別に「7月になったらこのゲームやるから更新滞ります」っていう予防線じゃないです。
――多分。
ゲーム『LIVE A LIVE』にみるヒーロー観【想い出話】 ささたけ はじめ @sasatake-hajime
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