『明日への日記』というタイトルの作品を書こうとして全データを飛ばした愚か者の日記

ある阿呆の一日

　いよいよKACも大詰め、ラストのお題となりました。最後のお題は『日記』とのこと。これはエッセイが増えるだろうと予期した私は、今こそ小説を読んでもらうチャンスと見抜き、満を持してキーボードを叩き始め、無事完成させたのですが。

　その作品は日の目を見ることなく、私のごくごく個人的な手違いにより、すべてのデータが失われてしまいました。

　最後の最後にやらかすあたりオチに呪われた人間としか思えないのですが、なんとしてもトリタオルが欲しい（抽選ですけど）ので、最後の悪あがきとして事の顛末を日記形式で語らせていただきます。なお、本来投稿する予定だった『未来への日記』は忘れる前に必ず投稿します。

　ではどうぞ。

　3月29日　朝

　最近恒例の猫パンチにて6時起床。いつもは幸せな気分だが、今日は爪を立てられたためちょっと痛い。

　朝のゴミ出しがてら、早朝の散歩を開始。山形も気温が上がってきたので心地良くなり、ついランニングへと発展してしまう。

　帰宅後、創作を開始。タイトルは『未来への日記』。最後はオチもない普通の小説を書こうと決意。筆も乗り午前中で二千字ほど書き上げる。

　昼

　休憩がてらAmazonのタイムセールを眺める。そのままFireTV 8plusを衝動買い。所有スペースの問題から、これまでの「本の購入は紙媒体で」という踏み絵を踏み抜き、電子書籍へ宗旨変えを図る。

　いい気分で創作再開。残りを仕上げ昼寝をする。

　夜

　猛烈なくしゃみと鼻水と涙に襲われる。花粉症を今年も無事に発症した模様。おそらく朝のランニングが原因と思われる。

　突然大声を出し始めた私に怯え、猫二匹、近付かなくなる。寂しい。しかし奴らは現在絶賛換毛中であり、抜け毛がくしゃみを誘発するため、近付かれないほうがお互いのためでもある。でも寂しい。

　寂しいので風呂に入り早めに休むことに。昨今の石油高騰を受けて電気代も馬鹿にならないため、普段はつけっぱなしのパソコンの電源を切って寝る。

　3月30日　朝

　今朝も猫パンチにて起床。全自動給餌マシーンと化した私は、眠い目をこすりながらエサをやる。そこでふと気付く。

（昨日、保存したっけ――？）

　嫌な予感が走り、急いでパソコンを起動。以前と比べれば数倍速くなったはずの起動が、この時ばかりは遅々として感じられる。

　永遠にも思える数分ののち、ブラウザを起動。カクヨムのワークスペースへ行くとそこには――、

『エピソードがありません』

の文字。うなだれてふて寝する私。

　――そして現在。

　職場のトイレに立てこもり、スマホでこの文章を打っている。