概要
ペンギンのしっぽを食べに行こう
アメリカのUnited Onion社が開発した、人から人(もの)へ、目で見てわかる形で愛を伝えられる「愛情チャージャー」。彼女は僕が夜にたくさん送った愛を、いつも翌朝、シナモンに与えてしまう。
▢カクヨムweb小説短編賞2022中間選考通過作品
▢カクヨムweb小説短編賞2022中間選考通過作品
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!和製ケン・リュウによる胸が締め付けられるSF
愛情をチューブでいろいろなものに分け与えられる世界。彼女に愛情を注いでいたのに、その彼女はシナモンパン、そして自分自身にそれを注いでしまう。
私自身もどうにもならない人間関係の果てをよく書くので、どうしても共感してしまいます。愛情はどこに向かうのだろう、伝えきれなかった思いは体のどこに残るのだろう、それはやがて雪のように跡形もなく消えてしまうのか、それとも膨らみ続けて爆発してしまうのか。読みながらだんだんと、その結末がわかってきて、胸が締め付けられます。
私が読んだ中ではケン・リュウの『紙の動物園』の読後に近い、なんとも言えないほろ苦さ、やるせなさを感じさせます。SF系の文芸コンテ…続きを読む