たくさんの人の優しさが、笑顔を作っていく

天涯孤独な上、勤めていた会社が倒産し、住む場所も行くあてもなくなってしまった陽人。
悲しみにくれ、どうすることもできなくなった彼が夜の公園で出会ったのは、少しぶっきらぼうな青年、滝川でした。

色々あって彼の家に住まわせててもらい、だんだんとその人となりを知っていくのですが、滝川さんをはじめとする登場人物一人一人が、とても温かいです。
誰もが皆順風満帆な人生を送っているわけではなく、心に傷を負い、悲しみを抱えていることもありますが、決してそれだけには囚われてなくて、その分人に優しくでき、笑顔にすることができる人たちなのです。

決して大それたことができるわけじゃない。けれど、できる範囲でちょっとだけ誰かに優しくしてみよう。そうしたら、ほんの少しみんなが幸せに近づくから。
心の中が温かいもので満たされるような、とてもほっこりするお話でした。

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